「熟読」と「味読」はいずれも書物などを読むことに関係する言葉ですが、意味が異なるため使い分ける必要があります。
この記事では、「熟読」と「味読」の違いを分かりやすく説明していきます。
「熟読」とは?
「熟読」は「じゅくどく」と読む言葉で、「文章の内容をよく考えながら丁寧に読むこと」を意味します。
漢字の「熟」には「十分に」「よくよく」などの意味があり、「読」には「読む」「読み取る」といった意味が含まれています。
「味読」とは?
「味読」は「みどく」と読む言葉です。
「感覚や経験などで感じ取ること」を示す「味」と「読むこと」を表す「読」が組み合わさった言葉で、「文章や内容をじっくり味わいながら読むこと」という意味があります。
「熟読」と「味読」の違い
「熟読」も「味読」も、「書物などよく読むこと」という意味合いを持つ点は共通していますが、詳細な意味に違いがあります。
「熟読」は「文章をよく考えながら丁寧に読むこと」を示し、主に「書かれている言葉の意味や文章の表現などをよく理解して読書する」「読みこなす」といった状況で使用されます。
「考えながら読む」意味合いが強く、文学作品や実用書、専門書など様々なジャンルの書籍に用いる言葉といえるでしょう。
また、「契約書」など書籍以外の文章に対して使う場合もあります。
一方、「味読」は「文章や内容をじっくり味わいながら読むこと」を意味し、本の中で表現された情景などを思い浮かべ、登場人物の心情や作品内で起こった出来事などを実際に体験しているかのように読み取ることを表します。
どちらかというと「想像しながら読む」ニュアンスが強く、小説や戯曲といった創作作品、作者の体験や心情が綴られたエッセイなどを読む際に使われることが多い言葉といえます。
まとめ
「熟読」は「文章の内容をよく考えながら丁寧に読むこと」を示し、「味読」は「情景や登場人物の心情などを思い浮かべながらじっくり読むこと」を示します。
それぞれの読み方に適した書物のジャンルがあることも覚えておきましょう。
ぜひ言葉の知識を増やす参考にしてください。