「後回し」と「置き去り」は混同しがちな言葉ですが、それぞれ細かな意味合いが異なるため区別して使う必要があります。
この記事では、「後回し」と「置き去り」の違いを分かりやすく説明していきます。
「後回し」とは?
「後回し」は「順番や優先順位などを変えて遅らせること」を意味します。
やるべき物事をすぐにおこなわず後で取り掛かる際に使う言葉で、「先送り」や「先延ばし」などと言い換えられる場合もあります。
「置き去り」とは?
「置き去り」は「その場に残したまま別の場所に行ってしまうこと」や「何かを置いたままその場を去ってしまうこと」を意味する言葉で、「おいてけぼり」と呼ばれることもあります。
そのほか、「重要ではないと判断して放置すること」という意味も持ち合わせています。
「後回し」と「置き去り」の違い
「後回し」と「置き去り」の違いを分かりやすく解説します。
「後回し」は「順番や優先順位などを変更して後に遅らせること」を意味する言葉です。
「順番を変えて後でおこなう」という意味合いが強いので、遅れても取りかかる可能性が高いニュアンスがあります。
一方、「置き去り」は「その場に残したまま別の場所に行くこと」または「重要ではないと判断した物事を放置すること」という意味があります。
後者は「すぐに対処しない」という意味合いがあり「後回し」と似通っていますが、「置き去り」の場合は「後になって対応するとは限らない」ニュアンスが含まれています。
「後回し」の例文
「後回し」は、やるべき事柄にすぐに手を付けず後で取り掛かる時に使います。
「すぐに行動しない」という印象があることから、どちらかというとネガティブな意味合いで用いられています。
・『忙しいのでつい食事を後回しにしてしまう』
・『彼は、すぐにやってほしいタスクほど後回しにする傾向がある』
「置き去り」の例文
「置き去り」は、その場に残したまま別の場所に行ってしまう場面、重要ではないと判断して放置する場面で使われる言葉です。
「後回し」と違って、あとで行動したり処理したりするとは断言できないニュアンスがあります。
・『子どもをバスに置き去りにする』
・『様々な業界で賃上げが実施されているが、介護業界は置き去りにされている』
まとめ
「後回し」は「順番などを変えて後に遅らせること」を示し、「置き去り」は「その場に残したまま去ってしまうこと」や「重要ではないと判断して放置すること」を示します。
両者の意味や使い方を理解して、状況に合わせて使い分けてください。