この記事では、「丁寧語」と「美化語」の違いを分かりやすく説明していきます。
「丁寧語」とは?
「丁寧語」とは、文末を「〜です」「〜ます」「〜ございます」のように敬体(です・ます調)を用いる表現のこと。
「〜だ」「〜である」と言い切る常体に対し、聞き手に丁寧でやさしい印象を与えるのが特徴です。
「丁寧語」は敬語のひとつで、話し手が聞き手に対して敬意を持っていることを表す作用が働きます。
一例を挙げると「これは何だ?」を丁寧語を使って話すと「これは何ですか?」、また「お茶をくれ」は「お茶をください」になります。
「丁寧語」は、目上の人と話す時やビジネスシーンはもちろん、親しくない間柄の第三者に対して失礼にあたらないよう、広く使うことができます。
「美化語」とは?
「美化(びか)語」とは、名詞に接頭辞の「お」「ご」を付け、上品な印象を与える表現のこと。
美化とは物を意図的に美しく変えることで、「お」「ご」を付けることで、上品で丁寧な話し方に変えることができます。
敬語の一つで、丁寧な言葉遣いをする時には「美化語」を使うのが望ましいです。
例えば寿司、鍋、挨拶などはそのままでも意味が通じますが、お寿司、お鍋、ご挨拶のように「美化語」にしたほうが丁寧で優雅な印象をもたらします。
中には、お菓子、おにぎり、ごちそうのように「お」「ご」を使った呼び方が固定され、場面に関係なく美化語で話し手良いものもあります。
なお、「おぞうきん」「おゴミ」のように美化する必要がない言葉もあるので、やたらに「お」「ご」を付けるのが良いというわけでもありません。
「丁寧語」と「美化語」の違い
「丁寧語」と「美化語」の違いを、分かりやすく解説します。
「丁寧語」と「美化語」はどちらも敬語の一種で、相手に敬意を示し、丁寧で柔らかい話し方に変える作用を持っています。
「丁寧語」は「です・ます」調を用いる表現法、対して「美化語」は名詞の前に「お」「ご」を付ける表現法であるところが異なっています。
「丁寧語」の例文
・『相手に敬意を表すため、丁寧語を使って話をする』
・『これは花です、のように丁寧語を使って話すと相手にやさしい印象を与える』
「美化語」の例文
・『相手に敬意を示す場合は、お顔、ご利用、のように美化語を使う』
・『トイレの美化語はおトイレと思われがちだが、実はお手洗いと言うのが望ましい』
まとめ
「丁寧語」や「美化語」は、どちらも敬語として丁寧で上品な話し方をする時に使われます。
「丁寧語」は「ですます」調を使った話し方、「美化語」は「お」「ご」を付けた上品な話し方をするところが両者の違いとなります。