この記事では、「以て」と「以って」の違いを分かりやすく説明していきます。
「以て」とは?
「以て」の読み方は「もって」です。
「以」は「以上」や「以外」「以下」「以内」「以心伝心」などに用いられる漢字で、「以」が持つ意味は、○○から、○○より。
時間や範囲、方向の起点を示す語。
もって、○○を、○○によってなど目的や手段、原因を示す語。
用いる、思う、理由、になります。
このような意味を持つ「以」を用いた「以て」は、「持って」の音変化によって発生した言葉です。
手段や方法を示す意味。
例えば、「誠意を以て謝罪する」や原因や理由を示す、ことの行われる時を示す、区切りや限界を示す意味。
例えば、「これを以て完了となります」。
また、語調を強める際にも「以て」を用いるほか、○○のうえに、○○かつ、といった並列や添加の意の接続詞の代わりに。
格助詞で「で」を強める意を表す際にも用いられます。
「以って」とは?
「以って」は「以て」と同じ意味を持つ言葉です。
正しい日本語は「以て」ですが、最近では「以って」も日常的に使用されるようになり絶対に間違いだとは言えなくなりつつあります。
「以て」が「以って」と表記されるようになった原因は言葉の語源となる「持って」から来ていると考えられます。
「以て」と「以って」の違い
「以て」と「以って」の違いを、分かりやすく解説します。
「以て」と「以って」は同じ意味を持つ言葉です。
類義語には、「使って」や「駆使して」「利用して」「理由として」「によって」などがあります。
そのうえで、正しい日本語は「以て」となり、「以って」は誤った言葉として広がったものとなります。
そのため、正しくは「以て」を用いる必要があります。
「以て」の例文
・『彼は勇気を以て大きな問題に立ち向かいました』
・『私は愛を以て家族の形を変えることができたと思う』
「以って」の例文
・『本日を以って閉店させていただきます』
・『彼女は全く以って困った人です』
まとめ
以上のように、正しい日本語は「以て」となります。