この記事では、「一面的」と「多面的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一面的」とは?
「一面的」とは、「物事を理解する際にある一つの側面のみを見て判断をする」さまや「意見や考えなどがひとつの面だけに偏っている」様子などを示す言葉です。
思いやものの見方などが一方向だけを見ていて全体を見ていない、などというニュアンスで用いられており、「一方的」または「表層的」などという語句とほぼ同様のニュアンスで使用されています。
「多面的」とは?
「多面的」とは、「どんな物事でも柔軟にとらえることができる」さまや「小さな事にはこだわらない」様子などを示す言葉です。
「考え方や物のとらえ方などが多方面にわたっている」などというニュアンスで用いられている言い回しで、「広範にわたって」または「幅広く」などという語と同じような意味合いで用いられています。
「一面的」と「多面的」の違い
「一面的」と「多面的」の違いを、分かりやすく解説します。
「一面的」と「多面的」は、いずれの語句も「ある範囲全体を対象にする」などという意味をもつ「面的」という同じ語が使われている語句ですが、頭に付いている「一」と「多」の意味の違いどおり、各々がもつ意味合いもまったく異なっています。
「一面的」は物事の一面しか見ないというややネガティブなニュアンスを含む表現であるのに対し、「多面的」はすべての側面を考慮に入れるなどというポジティブなニュアンスを含む言い回しとして使用されているという点が異なっています。
「一面的」の例文
・『問題やトラブルなどは一面的にみるのではなく全体をみて判断しましょう』
・『一面的には良いかもしれませんが多角的にみると物足りませんね』
「多面的」の例文
・『多面的なものの見方ができるのが経営者たるものです』
・『「木を見て森を見ず」という言葉にもあるように、多面的に判断することが大切です』
まとめ
「一面的」と「多面的」は、どちらの言葉もものの見方やとらえ方などを示す際に使われる語句ですが、それぞれがもっている意味はまったく逆と言える表現です。
文字から受ける印象はやや近いものがありますが、使用する際には上手に使い分ける必要がある文言になります。