「そつがない」と「抜け目がない」は双方とも人の言動に対して使用される言葉ですが、ニュアンスが異なるため注意して使うことが必要です。
この記事では、「そつがない」と「抜け目がない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「そつがない」とは?
「そつがない」は、「手落ちがない」「無駄がない」ことを示す「そつ」と、「存在しない」を示す「ない」を組み合わせた言葉で、文字通り「手落ちや無駄がない」という意味があります。
「そつが無い」と記される場合もあります。
「抜け目がない」とは?
「抜け目がない」は、「欠けているところ」や「手抜かり」を指す「抜け目」に、存在しないことを指す「ない」を付けた言葉です。
「見落としがない」「手抜かりがない」といった意味のほか、「利益を手に入れる機会を逃さない」といった意味も持ち合わせています。
「そつがない」と「抜け目がない」の違い
次に、「そつがない」と「抜け目がない」の違いを分かりやすく解説します。
「そつがない」は「無駄がない」や「手落ちがない」といった意味があり、人が効率よく動いたり、言動などに不手際がなかったりする場面で使われます。
一方、「抜け目がない」は「見落としがない」「手抜かりがない」ことを示し、準備や配慮に不足がないという意味で使用されます。
「自分の利益を得る機会を逃さない」という意味もあり、現在はどちらかというとこちらの意味合いが強く、「悪賢い」のようなネガティブなニュアンスで使用されることが多い言葉です。
「そつがない」の例文
「そつがない」は「無駄がなく効率的」または「手落ちがない」ことを表現する言葉で、主として人に対して用いられます。
なお、状況によっては「立ち回りがうまい」のような消極的な意味合いで解釈される場合もあるため、使用する際は注意しましょう。
・『最近入社したAさんはどんな仕事をしてもそつがない』
・『彼はどんな状況であってもそつがない態度でいる』
・『彼女の行動にはそつがないことが多いが、たまにヘマをやらかす』
「抜け目がない」の例文
「抜け目がない」は「準備や配慮に不足がない」や「自分の利益を手に入れる機会を逃さない」という意味があります。
現在は後者の意味合いを示すことが多く、どちらかといえば良くない印象を表現する言葉といえるでしょう ・『彼はビジネスにかけては実に抜け目がない』
・『彼女は抜け目がないので、きっと将来大物になるだろう』
・『彼は万事抜け目がないので、トラブルが起きても上手く立ち回るだろう』
まとめ
「そつがない」は「無駄がなく効率的」や「手落ちがない」ことを示し、「抜け目がない」は「準備や配慮に不足がない」または「利益を得る機会を逃さない」ことを示します。
両者の意味や使い方を理解して、適切に使い分けられるようになりましょう。