「従前」と「以前」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「従前」と「以前」の違いとは?違い

「従前」「以前」はどちらも過去を指す言葉ですが、詳細な意味が異なるためシーンに応じて使い分ける必要があります。

この記事では、「従前」「以前」の違いを分かりやすく説明していきます。

「従前」とは?

「従前」「じゅうぜん」と読む言葉で、「現時点よりも前」「これまで」という意味があります。

漢字の「従」「従う」「付き添う」「携わる」などの意味を持つほか、「〜より」「〜から」の意味も持ち合わせています。

「前」については、「前方」「正面」などに加えて「昔」「特定の時点よりも前」といった意味も含まれています。


「以前」とは?

「以前」「いぜん」と読む言葉で、「その時点よりも前」や、「現在よりも前の時点」「現時点から見てそれほど遠くない過去」という意味があります。

また、「物事がある状態に到達する前の段階」という意味で使用されることもあります。

「以」は時間や方向、範囲の起点を示す漢字で、「前」は前述の通り「昔」「特定の時点よりも前」を示します。


「従前」と「以前」の違い

次に、「従前」「以前」の違いを分かりやすく解説します。

「従前」「現時点よりも前」「これまで」という意味を含み、「今よりも過去の物事」を表す際に使用されます。

日常生活ではあまり用いられない言葉で、主に報道やビジネスシーンを中心に使われています。

一方、「以前」「その時点よりも前」もしくは「現在から見て近い過去」という意味があり、前者では「特定の時点よりも過去のこと」を示し、後者の場合は「明確な起点はないが今より遠くない過去のこと」を示します。

また、「以前」「物事がある状態に達する前の段階や程度」という意味で用いられることもあります。

「従前」の例文

「従前」は主として「今よりも過去の物事」を表現する状況で使われます。

やや堅苦しい印象があるため、ビジネスやフォーマルな場で用いられることが多く、カジュアルな場面にはそぐわない言葉とされています。

・『転職後は忙しくなったが、従前どおり自炊を心がけている』
・『セレモニーの時間帯が変更されましたが、内容は従前の形式にて執り行います』
・『今後も、従前通り働きやすい環境を整えてまいります』

「以前」の例文

「以前」「その時点よりも前」または「現在から見てそれほど遠くない過去」を表す時に使用します。

また、「物事がある状態に到達する前の段階や程度」を示す際に使われる場合もあります。

「以前」は日常生活でもよく耳にする身近な言葉です。

・『3月31日以前の申し込みについては無効となります』
・『以前はよく純喫茶に足を運んでいたものだ』
・『遅刻が多いのは能力以前の問題です』

まとめ

「従前」「現時点よりも過去」を、「以前」「その時点より過去」或いは「現在から見てそれほど遠くない過去」を示します。

また、「以前」には「物事がある状態に到達する前の段階」という意味があることも覚えておきましょう。

ぜひ語彙力向上に活用してください。

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