この記事では、「不惜身命」と「粉骨砕身」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不惜身命」とは?
不惜身命とは、自分の体や命を惜しむことなく全力で事に当たることをいいます。
元々は仏教で使われていた言葉で、仏道を極めるためには己の命も惜しくはないということやそういった心構えを表しています。
また、そこから自分の身をかえりみないことを表すようになりました。
不惜身命と書いて「ふしゃくしんみょう」と読みます。
横綱昇進が決まった貴乃花が、口上に使ったことでよく知られるようになりました。
「粉骨砕身」とは?
粉骨砕身とは、力の限り努力したり一生懸命働いたりすることをいいます。
粉骨砕身と書いて「ふんこつさいしん」と読みます。
粉骨砕身の語源は、中国の唐時代に書かれた「禅林類纂(ぜんりんるいさん)」という経典にあります。
身を粉にして働いているという表現が登場し、そこから粉骨砕身という言葉が生まれました。
骨を粉にし、身を砕くほど努力しているという意味になります。
「不惜身命」と「粉骨砕身」の違い
不惜身命も粉骨砕身も、自分の体を犠牲にして物事に当たったり働いたりすることを表しています。
不惜身命には命すらも惜しまないという意味があり、粉骨砕身には身を削るという意味があります。
粉骨砕身には、命を惜しまないというニュアンスは含まれていません。
「不惜身命」の例文
・『不惜身命の覚悟で彼は戦地に赴いた』
・『彼は不惜身命の精神で災害現場の指揮を執った』
「粉骨砕身」の例文
・『会社に粉骨砕身の思いで尽くしてきたのに裏切られてしまった』
・『工事現場では建設作業員たちが粉骨砕身して期限までに間に合わせようとしている』
まとめ
不惜身命も粉骨砕身も、己の身を犠牲にしていることは共通しています。
己の命すらも惜しまないという意味なのが不惜身命で、己の身を削る程努力しているという意味なのが粉骨砕身になります。