「回覧」と「閲覧」は双方とも「何かを見ること」に関する言葉ですが、詳細な意味が異なるため使い分けが必要です。
この記事では、「回覧」と「閲覧」の違いを分かりやすく説明していきます。
「回覧」とは?
「回覧」は「かいらん」と読む言葉で、「書類や本などを順繰りに渡して見ること」や、「各地を見物して回ること」という意味を持っています。
漢字の「回」には「回す」「回る」「巡る」「巡らせる」などの意味があり、「覧」には「眺める」「見渡す」のほかに「全体が一回で見渡せるようにまとめられた物」という意味も含まれています。
「閲覧」とは?
「閲覧」は「えつらん」と読み、「本や書類、資料、ウェブサイトなどの内容を調べながら読むこと」を意味する言葉です。
図書館分野においては、「所蔵資料を館内で読むこと」という意味で使用されています。
漢字の「閲」には、「調べる」や「経過する」という意味があります。
「回覧」と「閲覧」の違い
次に、「回覧」と「閲覧」の違いを分かりやすく解説します。
「回覧」は「書類や本などを複数人の間で順繰りに見ること」を示し、職場や地域で情報を共有するといった意味合いで使用されます。
また、「様々な地域を見物して回ること」という意味で使われるケースもあります。
一方、「閲覧」は「本や書類、ウェブサイトなどに掲載された内容を調べながら読むこと」を示すほか、「図書館の資料を持ち出さずに館内で読むこと」という意味も含まれています。
「回覧」の例文
「回覧」は「複数の人物の間で書類や資料などを回して見る状況」や「各地を見物して回る状況」で使用します。
なお、居住地域の連絡事項を記して各家庭に回す告知板のことを「回覧板」と呼びます。
・『業務に必要な書類を社員全員で回覧するよう指示した』
・『旅行に行っていたので回覧板を持って行くのが遅くなってしまった』
・『岩倉使節団による米欧回覧実記を興味深く読んだ』
「閲覧」の例文
「閲覧」は「本や書類、ウェブサイトなどの内容を調べながら読む場面」で用います。
また、「図書館の資料を借りずに館内で読む場面」で使う場合もあります。
・『出席者名簿を閲覧する』
・『最近になって急にサイト閲覧者が増加した』
・『貴重な郷土資料を図書館で閲覧した』
まとめ
「回覧」は「書類などを複数人で順繰りに見ること」や「各地を回って見物すること」を示し、「閲覧」は「本やサイトなどを調べながら読むこと」または「図書館内で資料を見ること」を示します。
両者の違いを理解して、適切に使い分けられるようになりましょう。