「武道」と「武術」はどちらも戦うことを目的にする技術体系を指す言葉です。
2つの言葉はどのような違いで区別されているのでしょうか今回は、「武道」と「武術」の違いを解説します。
「武道」とは?
「武道」とは、「戦うための技術向上を通じて人間的な成長を目指す運動文化」を意味する言葉です。
「武道」の使い方
「武道」という言葉は講道館柔道の創始者である嘉納治五郎が作ったとされています。
近代に入ってからの日本では江戸時代までのように刀を差すことがなく戦うための技術が身近なものではなくなりました。
戦闘の技術を学ぶ目的も戦争や闘争などの理由から精神鍛錬や人間力の向上などに変わっていき、古い時代から新しい時代への移り変わりを象徴する意味で「武道」という言葉が誕生したとされています。
相手に勝つことや相手を倒すことを主目的にせず自己鍛錬を通じて成長を目指すのが「武道」の特徴です。
「武術」とは?
「武術」とは、「戦うための技術」を意味する言葉です。
「武術」の使い方
相手に戦って勝利するため体の動かし方や武器の扱い方など体系的に習得する技術を指します。
護身や戦闘など直接的な目的はさまざまですが、大きな目的として相手と戦い勝利するための技術が「武術」です。
「武道」と「武術」の違い
「武道」と「武術」の違いは「精神性」です。
鍛錬や技術の向上を通じ自分自身を高めてより良い人間を目指すという精神性に重きを置くのが「武道」、勝つための直接的な戦闘技術が「武術」という違いで区別されます。
元々は争いに勝つための技術体系として「武術」が存在し、その中から近代化に対応するよう危険な行為を取り除き精神修練につなげたものが「武道」に当たります。
「武道」の例文
・『武道を学ぶ』
・『武道で精神を鍛える』
「武術」の例文
・『武術を身につける』
・『中国には多くの武術が伝えられている』
まとめ
「武道」と「武術」は何を目的にしているのかが大きな違いです。
それぞれの言葉の正しい意味を理解して使い分けましょう。