この記事では、「加味しない」と「考慮しない」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「加味しない」とは?
あることに目を向けて、別の要素を加えないという意味で使われているのが「加味しない」【かみしない】です。
味を付けるようなことはしないで、ありのままで勝負します。
元々は「加味する」といった動詞に助動詞となる打ち消すの「ない」を掛け合わせた言葉です。
言葉の由来は、薬に同じものを加えるようなことはせずに調合するという意味からあえて違うものを足すのではなく、現状のままで物事を進めるという意味で使います。
「考慮しない」とは?
考えて物事を進めないことを「考慮しない」【こうりょしない】といいます。
余計なことを考えるとつまづいて物事をうまく進められなくなり大変なので、配慮して考えるのではなく、成り行きに任せて物事を進めるのです。
動詞の「考慮する」に助動詞で打ち消す意味がある「ない」を掛け合わせた言葉になります。
決議や話し合いでは人の意見など気にせず、自分で話を進めるわけです。
「加味しない」と「考慮しない」の違い
「加味しない」と「考慮しない」の違いを、分かりやすく解説します。
今作っているものに別の要素を足すという意味がある言葉を「加味しない」といいます。
また調味料を加えるようなことはせず、その素材から出る味や旨味を大切にするのです。
もう一方の「考慮しない」は、余計な意見に耳を傾けず、ありのままで事を進めるという意味になります。
それだけ物事を早く進めたい、心を傾けて同情しては感情的に話を進めないと思うとき使う手段です。
「加味しない」の例文
・『味噌汁に加味しないで、ダシと野菜の旨味を楽しむ』
・『参加者が伝えたい気持ちを加味しないで、主権者は話を進めた』
「考慮しない」の例文
・『教師は生徒の字の上手さは考慮しないで採点した』
・『時間が限られているため相手に考慮しないで企画を進めた』
まとめ
「しない」と否定する言葉ではありますが、「加味」と「考慮」の違いがあります。
異なる点に注目して学べば、どのような状況で使えば意味が通じる言葉になるかが分かるでしょう。