この記事では、「恩を仇で返す」と「後足で砂をかける」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恩を仇で返す」とは?
「恩を仇で返す」とは施しなどの恩を受けた相手に対して害を与えてしまうことです。
人に良くしてもらった恩は同じくその人に良くして返すというのが一般的ですが、そういった返し方をせず逆に迷惑を掛けることを指します。
去り際にもう関係ないからと好き勝手して迷惑をかける場合もありますが、その人との関係は続けるつもりだったのに意図せず被害を与えてしまい、恩を仇で返したあとも人間関係を続けざるを得ない場合もあるでしょう。
「後足で砂をかける」とは?
「後足で砂をかける」とは恩を受けた相手に対して去り際に迷惑を掛けることです。
犬や馬などの動物が走ると後ろ足に蹴られた地面が後ろに砂を飛ばし、それによって汚されてしまうことから来ています。
動物が駆け去る時の砂で汚され迷惑することから来ている慣用句だけに、その人のもとを去る時にだけ使われ、迷惑をかけた後も関係が続くような場合には使いません。
「恩を仇で返す」と「後足で砂をかける」の違い
「恩を仇で返す」と「後足で砂をかける」の違いを、分かりやすく解説します。
恩を受けた相手に対して迷惑をかけることが「恩を仇で返す」で、恩を受けた相手に対して迷惑をかけて去るのが「後足で砂をかける」です。
「恩を仇で返す」は被害を与えたあと去るのか関係が続くのかは問いませんが、「後足で砂をかける」は相手のもとから離れる場合にだけ使われ、関係が続く場合には使えません。
「恩を仇で返す」の例文
・『移籍して球団に恩を仇で返すような真似はできない』
・『先輩を巻き込んでしまい恩を仇で返してしまった』
「後足で砂をかける」の例文
・『礼儀正しかった彼が後足で砂をかけるようなやつだとは思わなかった』
・『引き継ぎが不十分で結果として後足で砂をかける形になった』
まとめ
「恩を仇で返す」は恩を受けた相手に迷惑をかけてしまうことでありその後関係が終わるかどうかは問いません。
しかし「後足で砂をかける」は関係が終わり相手のもとから去ることを前提として、その上で去り際に相手に迷惑をかけることと言えます。