この記事では、「レゾンデートル」と「アイデンティティ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「レゾンデートル」とは?
「レゾンデートル」とは自己の存在理由を指す哲学用語です。
自分はなぜ存在しているのか、なんのために生きているのかを指します。
哲学の話なので難しく取られがちですが、生きがいも含む言葉なので日常生活の中で楽しみにしていることもレゾンデートルであり、言葉のイメージよりも身近なものです。
また哲学的には人間としての存在理由を指しますが、企業の存在理由や経営理念を指す言葉として使われることもあります。
「アイデンティティ」とは?
「アイデンティティ」とは自己同一性を指す言葉です。
自分は一体何者なのか、自分の人生は何を目指しているのかを指します。
自分はこういう人間なのだと認めるための軸や大黒柱ともいえるものであり、長年続けてきた仕事であったり、自分の血筋や自国への愛国心がアイデンティティになっている人もいるでしょう。
生きがいとなっている趣味がアイデンティティになっている人もいますが、あくまでも生きがいそのものを指す言葉ではなく、自分がどういう人間なのかを決めている要素を指す言葉がアイデンティティです。
「レゾンデートル」と「アイデンティティ」の違い
「レゾンデートル」と「アイデンティティ」の違いを、分かりやすく解説します。
自分が存在する理由や存在意義が「レゾンデートル」で、自分が何者なのかという自己同一性が「アイデンティティ」です。
「レゾンデートル」はなんのために生きているかを指しますが、「アイデンティティ」自分が何者でどんな人間なのかを証明するものと言えます。
「レゾンデートル」の例文
・『市を発展させることが市長のレゾンデートルだと認識しています』
・『家電によって皆様に便利な生活を届けることが我が社のレゾンデートルです』
「アイデンティティ」の例文
・『登山家として山に挑み続けるのが自分のアイデンティティだ』
・『自分のアイデンティティに悩む少年』
まとめ
存在意義である「レゾンデートル」がそのまま自己同一性を指す「アイデンティティ」となっている人もいますが、その場合でも存在意義であることを成す人間であることが自分という存在を確立しているということなので、両者は同じ意味というわけではありません。
生きがいや何のために生きているかが「レゾンデートル」、自分がどんな人間かを証明する主軸や大黒柱が「アイデンティティ」だと区別して覚えましょう。