「シロクマ効果」と「カリギュラ効果」はいずれも心理学に関する言葉ですが、詳細な意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「シロクマ効果」と「カリギュラ効果」の違いを分かりやすく説明していきます。
「シロクマ効果」とは?
「シロクマ効果」は、「特定の事柄を考えないように意識することで、かえって考えてしまう心理状態」を意味する言葉です。
カナダで実施された心理実験において、「シロクマのことを考えるように指示されたグループ」と「シロクマのことを考えないように指示されたグループ」に分けた結果、後者の方がシロクマについてより多くのことを考えていたことが判明しました。
このことから、ある事柄について思考が抑制されると皮肉にもそのことについて頭がいっぱいになってしまう現象のことを「シロクマ効果」と呼ぶようになりました。
「カリギュラ効果」とは?
「カリギュラ効果」は「何かを禁じられると、かえってその事柄をおこないたくなってしまう心理状態」を示す言葉です。
「カリギュラ効果」の語源は、1980年に公開されたアメリカ映画「カリギュラ」です。
内容が過激であったため一部の地域で上演が禁止されましたが、かえって多くの人が映画館に押し寄せたことから、「禁止されるとかえって興味が湧いてやりたくなってしまう状態」を示す言葉として使われるようになりました。
「シロクマ効果」と「カリギュラ効果」の違い
「シロクマ効果」と「カリギュラ効果」の違いを分かりやすく解説します。
「シロクマ効果」は「考えることを抑制されるとかえってその事柄について考えてしまう心理」を意味します。
例として、「ダイエットのために食事制限すると、かえって食べ物のことを考えてしまう」「嫌なことを思い出さないようにしようと試みるほど、かえって思い出してしまう」といった状況が「シロクマ効果」にあたります。
一方、「カリギュラ効果」は「何かを禁じられるとかえって好奇心が増し、そのことをやってみたくなる心理」を意味します。
例えば、「箱の中を見てはいけないと言われると、何が入っているのか気になって見たくなる」「誰にも言わないでと言われると、かえって誰かに言いたくなってしまう」といった状況が「カリギュラ効果」に該当します。
まとめ
「シロクマ効果」は考えたくないのに考えてしまう状態を示し、「カリギュラ効果」は禁止されるとかえってしたくなる状態を示します。
両者の違いを認識して、適切に使い分けられるようになりましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。