「終焉」と「終演」はどちらも「しゅうえん」と読みますが、どのような意味の違いで使い分ければいいのでしょうか。
この記事では、「終焉」と「終演」の違いを分かりやすく説明していきます。
「終焉」とは?
「終焉」とは、「物事の終わり」を意味する言葉です。
元々は命あるものの終わり、つまり一生を終える死を指す言葉でしたが現在はあらゆる物事の終わりに対して使われています。
とても悲しくドラマチックに終わりを迎える人の死に様のように、ある物事が劇的に終わる時に用いられる表現です。
長く続いた国家や社会体制、1つの時代や歴史的な人物など壮大な物事の終わりに対して使うスケールの大きさを強調した言い方です。
ありふれた物事の終わりに対して使うとオーバーな表現になってしまいます。
「終演」とは?
「終演」とは、「上演が終わること」を意味する言葉です。
芝居や映画など大勢の観客を集めて見世物の演目を披露することを「上演」といいます。
その日の上演が始まることを「開演」といい、その日の上演が終わることを「終演」といいます。
「終焉」と「終演」の違い
「終焉」と「終演」の違いを、分かりやすく解説します。
「終焉」と「終演」の違いは「終わるもの」です。
どちらも終わりを意味する言葉ですが「終焉」がスケールの大きい物事の終わりを表すのに対し「終演」は人前で行われる上演活動の終わりを表す、という違いで区別されます。
「終焉」は基本的にその先がない物事の終わりを表す言葉で再開の予定や復活の可能性がある場合には使わず、そこで全てが終わりなくなってしまう場合にのみ使う表現です。
「終演」はその日あるいはその回の上演が終わることを指すので次の予定が決まっていても使えます。
「終焉」の例文
・『江戸幕府は明治維新によって終焉を迎えた』
・『長く続いた独裁体制が終焉した』
「終演」の例文
・『最後のバンドの演奏が終われば終演だ』
・『終演時間が後ろにずれ込む』
まとめ
「終焉」と「終演」は終わりを意味する同じ読みの言葉ですが表す内容は大きく異なります。
何が終わるのかにあわせて使い分けましょう。