この記事では、「犯す」と「冒す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「犯す」とは?
「犯す」に用いられる「犯」は、「犯罪」や「犯行」「犯人」「共犯」「主犯」などに用いられる漢字です。
「犯」自体が持つ意味は、おかす、そむく、規律を破る、つみびと、決まりを犯した人、です。
つまり、「犯す」とは、法律や規則などに反した行動をする、倫理に反した行動をする、権威あるものに逆らう、といった意味になります。
加えて、性犯罪に対しても「犯す」を用います。
「罪を犯す」や「殺人を犯す」「過ちを犯す」などといった形で用いられ、類語には「違反する」や「破る」「暴行」などがあります。
「冒す」とは?
「冒す」に用いられる「冒」は、「冒険」や「冒頭」「冒涜」などに用いられる漢字です。
「冒」自体が持つ意味は、おかす、無理にする、けがす、おおう、おおいかぶさる、はじまり、むさぼる、ねたむ、です。
つまり、「冒す」とは、他者の権利や権限を損なう行為をすること、他国の土地に不法に入り込むこと、物事に害を与えること、を意味します。
「所有権を冒す」や「国境を冒す」「自由の権利を冒す」などといった形で用いられ、類語には「冒険」や「むしばむ」などがあります。
「犯す」と「冒す」の違い
「犯す」と「冒す」の違いを、分かりやすく解説します。
「犯す」と「冒す」は、どちらも、「おかす」と読みます。
違いは、何に対し「おかす」のかです。
法律や規則、倫理に対し「おかす」場合は「犯す」。
他者の権利や権限を損なう行為をすること、危険を乗り越え行動することに対しては「冒す」を用いることになります。
「犯す」の例文
・『一度罪を犯した者でも立派に人生をやり直すことはできます』
・『まさか、近くに犯罪を犯すような人が住んでいたとは驚きました』
「冒す」の例文
・『例え親であっても自由の思想を冒すことはできない』
・『隣国が領海を冒してきました』
まとめ
「犯す」と「冒す」の違いは以上です。
使い分ける際には、何に対することなのか。
その点の違いに注意が必要です。