この記事では、「手弁当」と「ただ働き」の違いを分かりやすく説明していきます。
「手弁当」とは?
「手弁当(てべんとう)」は、自分で用意した弁当のことです。
それが転じて、仕事に必要な経費を自腹で用意して働くことを表します。
「手弁当」には二つの意味がありまず。
まず一つは「自分で作った弁当」という意味です。
もう一つは、自分で弁当を用意してまで仕事に出向くことを表します。
後者の「手弁当」は、本来は用意してもらえるはずの食事をわざわざ自己負担で持参してまで仕事を請け負うことを指します。
一般には、妥当な報酬がもらえなくても進んで仕事を請け負うこと、または、報酬や経費が出ない状況で割に合わない仕事をしなければならないさまを表す時に使われます。
「ただ働き」とは?
「ただ働き」とは、報酬をもらわずに働くことです。
「ただ」とは無料のこと、つまり「ただ働き」は報酬が発生しない状況で働くことを意味します。
「ただ働き」は大きく分けて二つの状況が挙げられます。
一つは、働いても一切報酬が出ないことです。
報酬を受け取らないことを前提に厚意で働く場合も含まれますが、ボランティアや家事などはあまり「ただ働き」とは言いません。
どちらかというと「無報酬労働」のように仕事をしたのに対価が支払われない不当な状況を指す時に使われます。
もう一つは、仕事をしたのに利益が出ず結局働いただけで手元に儲けが残らない状況を指します。
「手弁当」と「ただ働き」の違い
「手弁当」と「ただ働き」の違いを、分かりやすく解説します。
「手弁当」は、本来負担してもらえる部分を自費でまかなってまで仕事を請け負うことを意味します。
報酬が出ない仕事を引き受けることも含めます。
一方「ただ働き」は、報酬を一切もらわずに働くことを意味します。
働いたのに報酬が支払われない、あるいは仕事をしたけれど手元に儲けが残らず働き損をした状況を指します。
「手弁当」と「ただ働き」は「対価を得ずに働く様子」を表すところが似ていますが、それぞれ状況は異なります。
「手弁当」の例文
・『手弁当を用意してでも、その仕事に携わりたいと思っている』
・『その出張は宿泊費が出ないので、手弁当でホテルを手配しなければならない』
「ただ働き」の例文
・『ただ働きをしてでも残業をしないと、仕事が間に合わないそうもない』
・『1個も商品が売れなかったので、結局ただ働きになってしまった』
まとめ
「手弁当」は経費を自腹で払ってまで仕事を請け負うこと、「ただ働き」は仕事をしたのに報酬が一切もらえない状況を意味します。
どちらも損をしながら働いているニュアンスがありますが、言葉の持つ意味には違いがあります。