この記事では、「少数の法則」と「大数の法則」の違いを分かりやすく説明していきます。
「少数の法則」とは?
「少数の法則」とは試行回数が少なく偏った結果であっても、それを統計学的に正しい結果だと認識してしまう認知バイアスです。
統計学ではある程度のサンプルがあれば全体を予想できますが、サンプル数が少ないと内容に偏りが出てしまうので全体を正しく推察することができません。
にもかかわらず少ないサンプル数で統計学的な結果を出すと、サンプル内容に偏りがないかを疑わず結果が正しいと信じ切ってしまう傾向を指したのが少数の法則です。
「大数の法則」とは?
「大数の法則」とはサンプル数が多ければ多いほど事柄の割合はその事柄が起きる確率に近付くという法則です。
たとえばコイントスをして表が出るか裏が出るかは半分半分ですが、10回コイントスした程度では表と裏が5回ずつという結果になることは稀でしょう。
ですがこれが100回となると表と裏の割合が半々に近付き、千回一万回となればそれぞれの回数は誤差程度の違いしかなくなります。
このようにサンプル数が多ければ試行回数の結果は確率と同じ内容に収束していくという理論が大数の法則です。
「少数の法則」と「大数の法則」の違い
「少数の法則」と「大数の法則」の違いを、分かりやすく解説します。
サンプルが不十分な少数でも人は結果が統計学的に正しいと思い込んでしまうという法則が「少数の法則」で、サンプル数が多ければ多いほど内容は確率と同じ割合に収束するというのが「大数の法則」です。
「少数の法則」は統計学によくある誤りを法則として定めたものであり、「大数の法則」は統計学の基礎にもなった数学の法則になります。
まとめ
少ないサンプル数なのに結果が正しいと信じ込むことを指摘するのが「少数の法則」で、「大数の法則」はサンプル数が多いほど内容と確率の一致は正確になるという法則です。
統計学の前提としてまず大数の法則があり、少数の法則はそれにもかかわらずサンプル数が少なくても結果が正しいと信じ込んでしまうことを指摘するものであり、名前も大数の法則にちなんでいます。