この記事では、「余韻」と「残響」の違いを分かりやすく説明していきます。
「余韻」とは?
余韻とは、音が鳴り終わった後にかすかに残る音の響きのことをいいます。
また、余韻には何かが終わった後になお残っている風情や味わいをいうこともあります。
余韻の「余」はあとに残ることを表していて、「韻」は美しい音の響きを表しています。
「余韻が残る」とか「余韻に浸る」といった使い方をします。
「残響」とは?
残響とは、音が鳴り終わった後にも壁や天井などに反射して音が響く現象やその響きのことをいいます。
残響が生まれるのは、音が床や天井、壁などに反射することを繰り返すからです。
反射を繰り返すうちに衝突した物や空気に吸収され、音は消えていきます。
音を吸収しやすい材質で作られているところでは残響は残りにくいですし、吸収しにくい材質で作られている場合にも残業が残りやすいです。
コンサートホールなどは残響も含めて豊かな響きになるように設計されています。
残響時間は長すぎても音が不明瞭になりますし、短すぎても余韻がなく音も弱く聞こえてしまいます。
「余韻」と「残響」の違い
余韻も残響も音が鳴り終わった後に音が響くことをいいます。
余韻と残響は同じものですが、余韻の方がかすかな音といったニュアンスがあります。
また、余韻は何かが終わった後の風情や味わいを表す場合もあり、残響にはこういった意味はありません。
後に残る雰囲気のことも余韻と呼んでいます。
「余韻」の例文
・『素晴らしいコンサートで聴衆はその余韻にしばらく浸っていた』
・『その場には彼が奏でたバイオリンの余韻が残った』
・『映画の余韻を噛みしめながら映画館を後にした』
「残響」の例文
・『残響が重なって声が聞きとりづらかった』
・『大きなホールの方が残響時間は長くなる』
・『彼の声が残響となり耳に残った』
まとめ
余韻も残響も音が鳴り終わった後にも音が響くことですが、余韻には何かが終わった後の風情や味わいという意味ももあります。