この記事では、「賜る」と「授ける」の違いを分かりやすく説明していきます。
「賜る」とは?
「賜る」は「たまわる」と読み、「賜る」は「もらう」の謙譲語です。
謙譲語とは、へりくだった言い方で相手への敬意をあらわす敬語になります。
つまり、目上の人から物をいただくこと、頂戴することが「賜る」です。
例えば、「ご愛顧を賜る」などといった形で使用します。
また、「賜る」は「与える」の尊敬語にもなります。
目上の人が物を下さることを意味し、「お祝いを賜る」などといった形で使用します。
そのほか、神の許可を得て通行を許してもらうことも意味します。
「授ける」とは?
「授ける」は「さずける」と読み、目上の人が目下の人に特別に与えること。
例えば、「学位を授ける」。
師匠が弟子に教えること。
例えば、「秘伝を授ける」。
この2つの意味を持つ言葉になります。
言い換えれば、「拝受する」や「授与される」「頂く」「ありがたく頂戴する」などになります。
「賜る」と「授ける」の違い
「賜る」と「授ける」の違いを、分かりやすく解説します。
「賜る」は「もらう」の謙譲語と「与える」の尊敬語になります。
目上の人から何かを頂く際や目上の人が物を下さる際に「賜る」を用います。
一方、「授ける」は目上の人が目下の人に特別に与えること、師匠が弟子に教えることを意味します。
このように、どちらも共通し目上の人から目下の人に対する言葉となります。
そのうえで、「賜ると「授ける」には、以上のような違いがあるため、適切に使い分ける必要があります。
「賜る」の例文
・『平素よりお客様にはお引き立てを賜り感謝いたします』
・『営業成績がトップだったので社長より社長賞を賜る』
「授ける」の例文
・『教え子一人一人に学位を授ける』
・『愛弟子に長年伝わる秘伝のタレを授ける』
まとめ
「賜る」と「授ける」には以上のような違いがあります。
そのため、同じ目上の人が目下の人に使用する場合でも内容に応じた使い分けが必要です。