「蓋然性」と「妥当性」は混同しやすい言葉として知られていますが、意味が異なるため両者の違いを把握しておく必要があります。
この記事では、「蓋然性」と「妥当性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蓋然性」とは?
「蓋然性」は「がいぜんせい」と読む言葉で、「事象や物事が生じる確率もしくは可能性」のことを意味し、「物事の生じやすさを示す指標」として知られています。
また、「知識が正確であるかどうかの度合い」を意味する場合もあります。
哲学や数学、統計学分野などで使用されるほか、投資や会計、特許、法律分野においても用いられています。
「妥当性」とは?
「妥当性」は「だとうせい」と読む言葉で、「適切に当てはまること」「良い状態で適合する度合い」といった意味があります。
そのほか、「ある判断が認識している以上の価値を持つ」という意味で使用される場合もあります。
ビジネスや教育をはじめ様々な分野で使われている言葉です。
「蓋然性」と「妥当性」の違い
次に、「蓋然性」と「妥当性」の違いを分かりやすく解説します。
「蓋然性」は「事象や物事が生じる確率もしくは可能性」のことを意味し、特に「生じうることがほぼ確実と予想できる」事柄に対して用います。
一方、「妥当性」は「適切に当てはまること」という意味があり、「違和感のない適切な状態で適合する度合い」を示す際に使用します。
「蓋然性」の例文
「蓋然性」は、「生じうることがほぼ確実と予想される物事や事象」を表現する時に用いる言葉です。
特定の物事が生じる確率が低いと考えられる場合は使用しないため、状況をよくみて使うことが重要です。
・『このデータから予想すると、新商品の売り上げが伸びる蓋然性は高い』
・『彼の推測は蓋然性が乏しい』
・『説明が充分ではないため、その案が採用される蓋然性は低い』
「妥当性」の例文
「妥当性」は「適切に当てはまること」や「良い状態で適合する度合い」という意味があります。
「ある状態が適切かつ客観的にみて違和感がない」事柄に対して用いられます。
・『彼女の言い分には妥当性がある』
・『この調査をおこなう妥当性を検証します』
・『彼のアイデアは斬新だが妥当性を欠いている』
まとめ
意味を取り違えそうになる「蓋然性」と「妥当性」ですが、それぞれが持つ意味合いや使う状況に違いがあることが分かります。
双方の違いを理解して、シーンに応じて適切に使い分けられるようになりましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。