この記事では、「通行止め」と「進入禁止」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
通行止めと進入禁止の違い
「通行止め」とは、あるところを通れないようにすることです。
「進入禁止」とは、その場所に進みいることをやめるよう、命令することです。
「通行止め」には、通れないようにするという意味があり、入ってはいけないと強く命令している意味は含まれていません。
しかし、実際には入らないでくださいという意図が含まれています。
「進入禁止」は「通行止め」とは違い、進んではいけないと命令をしています。
また、「通行」と「進入」は似ているようでも違う意味を持っています。
A地点からB地点に向かう一本の道があるとします。
A地点からB地点までを進むことを「通行」といいます。
A地点に一歩足を踏み入れただけでは「通行」とはいわず、この場合は「進入」になります。
通行止めと進入禁止の使い方の違い
2つとも交通に関して使われる言葉です。
ある通りを工事していて、その先に進まないで欲しいとき、進むことができないときに「通行止め」「進入禁止」という言葉が使われます。
また、一方通行の場合にも使われる言葉です。
一方通行の場合は「通行止め」よりも「進入禁止」が使われることが一般的です。
「通行止め」は通れないようにすることですが、一方通行は一方側からは通ることができます。
そのため、「通行止め」を使うことは適切ではありません。
通行止めと進入禁止の英語表記の違い
「通行止め」は英語で“Road closed”や“road blocked”と表現します。
“Road”は道路を意味します。
“closed”はしまっている、“blocked”はふさがれたと訳されます。
「進入禁止」は英語では“No entry”と表現されます。
通行止めの意味
「通行」には、そのところを通っていくこと、ある方向に向かって行くことという意味があります。
日本では車は車道の左側を走ることがルールです。
このように車道を走ることも「通行」といいます。
「止める」には、移動させないでその場所に留めるという意味があります。
つまり「通行止め」は、そのところを通って移動できないようにすることになります。
通行止めの使い方
「通行」は、人にも車や電車のような乗り物にも使うことができます。
そのため、人が道を歩いていくことにも、車が車道を通ることにも、電車が線路を走ることにも使用可能です。
移動させない意味の「止め」という言葉をつけているので、進むことをさせないときに使われます。
たとえば、道路工事をしているとき、落石や大雪などの事故があったときなどです。
通行止めを使った例文
・『普段通る道が通行止めになっていた』
・『通行止めによって迂回をする』
・『通行止めの情報を確認してください』
・『大雪によって通行止めになっている』
・『事故による通行止めがされています』
通行止めの類語
ピッタリとあてはまる類語はありませんが、関連する語は「運行止め」です。
運行は人には使わず、交通機関に使われる言葉なので、「通行」とピッタリ同じ意味ではありませんが、似た言葉です。
通行止めの対義語
対義語は通行可能です。
進入禁止の意味
「進入」には、その場所に進み入ることという意味があります。
人も乗り物も対象になります。
「禁止」は命令の言葉です。
その行為をしてはいけないと止めることを意味します。
つまり、「進入禁止」の対象となるのは人や乗り物であり、それらが入っていくことをダメだと命令していることになります。
「進む」には、前方に動くという意味があるので、「進入禁止」はその場所に少しでも動くこと、つまり入ることが禁止されていることになります。
進入禁止の使い方
「進入」は人間が入っていくこと、乗り物が入っていくことにも使われるので、「進入禁止」も人にも乗り物にも使うことができます。
たとえば、危険物があるので入って欲しくない、道路工事をしていて一般の人は入ることができない、一方通行なので通って欲しくないといった場合に「進入禁止」の言葉が使われています。
進入禁止を使った例文
・『こちら側は通行禁止です』
・『特定の時間帯だけ通行禁止されている』
・『大型車は進入禁止』
・『進入禁止の標識は赤い色をしていて目立つ』
・『進入禁止でポールが設置されていた』
進入禁止の類語
類語は「立ち入り禁止」です。
立ち入りとは、中に入ることです。
一方、進入は中に入ることだけでなく、進むことという意味も含まれています。
進入禁止の対義語
対義語は「進入可能」です。
しかし、この言葉は日常的にはあまり使いません。
まとめ
「通行」と「進入」は意味が異なるので、「通行止め」と「進入禁止」は意味が異なります。
似ているけれど意味は違う言葉なので間違えないようにしましょう。
特に交通ルールは注意が必要で、この2つの言葉をよく理解して守らなければなりません。