「手戻り」と「後戻り」は表記も読み方も良く似た言葉ですが、意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「手戻り」と「後戻り」の違いを分かりやすく説明していきます。
「手戻り」とは?
「手戻り」は「テモドリ」と読む言葉で、「作業などに不手際が生じてやり直すこと」という意味があります。
また、「作業などの順番を逆におこなったため、作業工程を戻してやり直すこと」という意味も持ち合わせています。
「後戻り」とは?
「後戻り」は「アトモドリ」と読む言葉で、「やって来た方向に引き返すこと」を意味します。
そのほか、「良好な状態をキープしていた物事が再度悪化すること」という意味で使用されることもあります。
「手戻り」と「後戻り」の違い
次に、「手戻り」と「後戻り」の違いを分かりやすく解説します。
「手戻り」は主として「作業にミスなどが生じてやり直すこと」という意味で使用されています。
「やり直し」や「手直し」などの言葉で言い換えられることもあります。
一方、「後戻り」は「やって来た方向に引き返すこと」もしくは「良い状態を保っていた物事が再度悪化すること」を意味する言葉です。
「手戻り」の例文
「手戻り」は、作業や工程などに何らかの不手際が生じてやり直す場面で用いられます。
「手戻りが多い」「手戻りを減らす」といった言い方をするのが一般的です。
・『この作業に手戻りが多いのはマニュアルに原因があるのではないか』
・『手戻りを減らすための対策方法を考える』
・『可能な限り手戻りをなくすことが重要だ』
「後戻り」の例文
「後戻り」は、やって来た方向に引き返す場面、もしくは良い状態を保っていた物事が再度悪化する場面で使用されます。
「後戻りできない」「症状が後戻りする」などの使われ方をします。
・『ここまで来たらもう後戻りはできない、と自分に言い聞かせた』
・『通院をサボったせいか病状が後戻りしてしまった』
・『財布をなくしたので、後戻りして探してみる』
まとめ
「手戻り」と「後戻り」は混同したり意味を取り違えたりしやすい言葉です。
それぞれの意味の違いや使用する場面を理解して、的確に使い分けできるようになりましょう。
ぜひ参考にして、語彙力向上に役立ててください。