「同一視」と「投影」は近しいニュアンスの表現ですが、それぞれ具体的に何を意味しどこが違うのでしょうか。
この記事では、「同一視」と「投影」の違いを分かりやすく説明していきます。
「同一視」とは?
「同一視」とは、「同じものとして見ること」を意味する言葉です。
全く違う別々のものなのに同じものとみなすことを意味します。
能力や姿形の近しさから同じものとして見る場合のほか、個人的な感情に基づいて同じものと考える場合も含みます。
心理学的には共感や共鳴により他者を自分と同じものとして見ることを表す意味で用いられますが、一般的には必ずしも対象が自分ではない場合も使われる表現です。
「投影」とは?
「投影」とは、「あるものの性質を他のものに重ね合わせること」を意味する言葉です。
本来は影絵やプロジェクターなど姿形を面に映し出すことを意味する物理的な言葉ですが、姿を他の面に重ねて映し出すことから転じて「あるものが持つ固有の性質を全く別のものに映し出すように重ね合わせること」という意味で使われる表現です。
気持ちを託したり思いをゆだねたりなとなど主に心理的な思い入れにより起こる現象で、基本的には個人的な思いであり他者とは直接共有できません。
「同一視」と「投影」の違い
「同一視」と「投影」の違いを、分かりやすく解説します。
「同一視」と「投影」の違いは「扱い」です。
「同一視」は別のものを同じものとみなして等しく扱うことを意味するのに対し「投影」はあるものに別のものを重ねて扱うことを意味します。
AとBの違いを無視し強引に同じものだとみなすのが「同一視」でAとBに共通する要素を見つけAにBを重ねて見るのが「投影」という違いで区別します。
「同一視」の例文
・『初代と二代目を同一視する』
・『双子を同一視するのは失礼だ』
「投影」の例文
・『子供に親の姿を投影する』
・『作者の理想が投影されたキャラクター』
まとめ
「同一視」と「投影」は似たような要素を含むものの意味は明確に異なります。
ニュアンスの違いを理解して区別してください。