この記事では、「もの言えば唇寒し」と「雉も鳴かずば撃たれまい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「もの言えば唇寒し」とは?
「もの言えば唇寒し」とは人の悪口を言うと後味が悪く後悔することです。
元は松尾芭蕉の句が転じて慣用句になった言葉であり、人の悪口を言うと後悔するという意味が更に転じて、余計なことをいうと碌なことにならないという意味になります。
誰かの陰口を叩いたり何かについて言い過ぎた相手に対して戒めとしてたしなめるのに使われたり、そういった発言によって舌禍を招いたことを指す形で使われる慣用句です。
「雉も鳴かずば撃たれまい」とは?
「雉も鳴かずば撃たれまい」とは余計な発言をしたせいで酷い目にあうことです。
鳴き声を出したせいで居場所がバレて猟師に撃たれてしまう雉と、余計なことを言ったせいで災難を招いた発言者を掛けたことわざになります。
口さがない人をたしなめるための言葉として使われることもありますが、特に余計なことを言ったせいでバチが当たった人に対して使われることが比較的多い言葉です。
「もの言えば唇寒し」と「雉も鳴かずば撃たれまい」の違い
「もの言えば唇寒し」と「雉も鳴かずば撃たれまい」の違いを、分かりやすく解説します。
余計なことを言ったせいで酷い目に合うという意味をもつのは共通していますが、それを口さがない人をたしなめることにも余計な発言が舌禍を呼んだことを例えるのにも使われるのが「もの言えば唇寒し」です。
それに対して「雉も鳴かずば撃たれまい」はたしなめる言葉として使うよりも、実際に口が災いを呼んで痛い目にあうという出来事自体を指す用途で使われることの多い言葉になります。
まとめ
意味はどちらも余計な発言のせいで悪い目に合うという意味で基本的に同じではありますが、転じる前の意味からか使い方の傾向に差があるのが両者の違いと言えるでしょう。
「もの言えば唇寒し」は口を開いたせいで寒い思いをするという元々の意味からたしなめる言葉として使われやすいのに対し、「雉も鳴かずば撃たれまい」はたしなめる言葉としては使われやすい言葉というわけではありません。