「身分不相応」と「分不相応」ではどのような意味の違いがあるのでしょうか。
この記事では、「身分不相応」と「分不相応」の違いを分かりやすく説明していきます。
「身分不相応」とは?
「身分不相応」とは、「身分にふさわしくないこと」を意味する言葉です。
集団の中で存在する序列における位置のことを「身分」といいます。
身分はその人の立場を表すものでありそれに応じて求められる態度やふさわしい持ち物など有形無形を問わずさまざまな制約が存在しています。
「身分不相応」とは身分に似つかわしくなく不釣り合いなさまを表す言葉です。
身分が低いのに上等なものを求めるなど一般的には高望みな行為に対して使われますが、高貴な身分なのに安物を使うなど下すぎてふさわしくない様子に対しても使います。
「分不相応」とは?
「分不相応」とは、「立場や能力にふさわしくないこと」を意味する言葉です。
「分不相応」の「分」とは「分をわきまえる」などでも使われる言葉で、個人の総合的な力を指します。
「分不相応」は人の立場や能力など現状に似つかわしくなく釣り合いが取れていないさまを表します。
「身分不相応」と「分不相応」の違い
「身分不相応」と「分不相応」の違いを、分かりやすく解説します。
「身分不相応」と「分不相応」の違いは「基準」です。
どちらもその人にふさわしくない様子を表す言葉ですが「身分不相応」は身分が基準なのに対し「分不相応」は身分も含めたその人の全てを基準にしています。
役職や肩書きなど客観的にもわかる身分を基準にしてふさわしくないと判断する場合は「身分不相応」で、人柄や能力など身分以外を基準にする場合は「分不相応」を使います。
本来は「分不相応」という表現があり「身分不相応」は「分不相応」から転じてできた表現です。
元々は誤用に近い表現でしたが現在は別の言葉として扱われています。
「身分不相応」の例文
・『身分不相応な贅沢に溺れる』
・『新入社員がブランドスーツを着るのは身分不相応だ』
「分不相応」の例文
・『分不相応なので謹んで辞退する』
・『自分でも分不相応だと自覚している』
まとめ
「身分不相応」と「分不相応」では判断の基準が異なります。
よく似た意味の言葉なので違いを正しく理解しておきましょう。