この記事では、「羹に懲りて膾を吹く」と「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「羹に懲りて膾を吹く」とは?
物事に取り掛かったとき、失敗したことがとらうまとなっては何をやるにも用心深くなることを「羹に懲りて膾を吹く」【あつものにこりてなますをふく】といいます。
もう失敗するのは嫌だと思うあまり心配性になり、簡単には物事に取り掛かれない人の気持ちに焦点を当てた言葉です。
元々は野菜と肉入れた汁を飲んだとき、舌を火傷しそうになるほど熱い思いをして懲りたので、冷たい食べ物も息を吹きかけて冷まそうとする行為からきています。
「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」とは?
蛇に噛まれてしまった人は、道路に落ちた縄をも生き物に見えて怯えるという意味がある言葉を「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」【へびにかまれてくちなわにおじる】といいます。
このような意味から、似たような者を見ては恐怖心を持つ人の気持ちを例える言葉です。
また、いつも叱る上司に似た人を見ただけで恐ろしいと感じては、身が縮む状況でも使われています。
「羹に懲りて膾を吹く」と「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」の違い
「羹に懲りて膾を吹く」と「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」の違いを、分かりやすく解説します。
過去に失敗したことが忘れられず、また失敗したら怖いと思うあまり物事に取り掛かれないことを「羹に懲りて膾を吹く」といいます。
もう一方の「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」は過去に怖いと思う行為された人を見ただけで震え上がってしまうという意味で使われている言葉です。
過去に怖いと思った経験がある人は、その形や色が似ているものを見ただけで恐怖心に包まれて、鳥肌が立ってしまいます。
「羹に懲りて膾を吹く」の例文
・『火傷した姉は羊羹に懲りて膾を吹くように、料理するにも警戒する』
・『山で事故に遭った後、羹に懲りて膾を吹く妹は万全の体制で登山する』
「蛇に噛まれて朽縄に怖じる」の例文
・『子供を轢いてから蛇に噛まれて朽縄に怖じる私は運転が怖い』
・『強盗に入られた彼は蛇に噛まれて朽縄に怖じて物音に敏感になる』
まとめ
過去に怖い思いした人は警戒心が強くなり、行動や考え方に気持ちが出るようになります。
どのような場面でどう使えば言葉の意味がうまく通じるかを考えて使いましょう。