「牧歌的」と「素朴な」は似たような意味で使われる言葉ですが具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「牧歌的」と「素朴な」の違いを分かりやすく説明していきます。
「牧歌的」とは?
「牧歌的」とは、「のんびりとのどかで叙情が豊かなさま」を意味する言葉です。
人混みや都会の喧騒から離れた静かでゆったりとした雰囲気を指します。
簡単に言えば平和なムードに対して用いる表現ですが、一般的には都会的な雰囲気とは正反対の田舎の様子を表す言葉として用いられます。
イメージや空気など抽象的な意味合いで用いられる表現です。
「素朴な」とは?
「素朴な」とは、「人の手が過度に加えられておらずありのままに近い状態」を意味する言葉です。
たくさん装飾がつけられていたり凝った細工が施されていたりなど人の手があまり加えておらず自然のままに近い様子を指します。
高度なところが少なく単純である様子を表しますが、シンプルであることを悪くとらえず肯定的に評価する場合の言い方です。
人目を気にしたり評価を求めたりなど世間ずれしたところがない純粋に近い状態を意味する言葉です。
「牧歌的」と「素朴な」の違い
「牧歌的」と「素朴な」の違いを、分かりやすく解説します。
「牧歌的」と「素朴な」の違いは「対象」です。
「牧歌的」は雰囲気やイメージなど抽象的なものを対象に使う言葉なのに対し「素朴な」は道具やデザインなど具体的なものを対象に使う、という違いがあります。
「牧歌的」は風景など具体的な存在に対しても用いられますが直接的な対象にしているわけではなく、そこから感じ取れる雰囲気や浮かび上がるイメージが対象です。
「素朴な」はシンプルな形や飾り気がないデザインなど誰が見てもわかる客観的な事実を対象にします。
「素朴な」ものから感じ取れるのどかで平和なイメージが「牧歌的」に当たります。
「牧歌的」の例文
・『自然に囲まれた牧歌的な生活』
・『牧歌的な生活に思われるが実際は苦労の連続だ』
「素朴な」の例文
・『素朴なおいしさのクッキー』
・『素朴な作りが魅力の民芸品』
まとめ
「牧歌的」と「素朴な」は似たようなニュアンスですが使い方が全く違います。
言葉の使い方をきちんと理解して使い分けてください。