「一顧」と「一個」はどちらも「いっこ」と読みます。
同じ読みの2つの言葉ですが意味はどのように違うのでしょうか。
この記事では、「一顧」と「一個」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一顧」とは?
「一顧」とは、「少し振り返って考えること」を意味する言葉です。
「一顧」の「顧」は「かえりみる」と読み、物理的に振り向いて後ろを見る動作のほか「過ぎ去った過去や他人のことなど目の前にないことを振り返って考える」という意味があります。
「一顧」の「一」は回数のことではなく「一考」「一読」「一瞥」などと同じく程度がわずかであることを意味する言葉です。
「一顧」とは少しかえりみること、つまり「程度にかかわらず少しだけでも振り返って考えること」を表します。
「一個」とは?
「一個」とは、「数が一つであること」を意味します。
独立して存在するものが一つあること表します。
基本的には物体に対して使う言い方であり特定の物事専用の単位の代わりにも使える表現です。
人に対して使うこともありますがその場合は人を物のようにみなすニュアンスが強く、独立した一人の人間であることを強調する言い方です。
「一顧」と「一個」の違い
「一顧」と「一個」の違いを、分かりやすく解説します。
「一顧」と「一個」は読みは同じですが意味は全く違います。
「一顧」は少し振り返って考えることを意味するのに対し「一個」は物体の数が一つであることを表す、というのが2つの違いです。
「一顧」は考えるという人の動作を表す言葉ですが「一個」は一つであるという客観的な事実を表します。
「一顧」の例文
・『どんなに懇願されても一顧だにしないで突っぱねる』
・『彼の主張は的外れで一顧だに値しない』
「一個」の例文
・『一個あれば十分だ』
・『一個だけ買うよりも十個まとめて買った方が安くなる』
まとめ
「一顧」と「一個」は読み方が同じという以外全く共通点がありません。
変換ミスで間違えやすい言葉なので注意しましょう。