「水魚の交わり」と「刎頸の交わり」はどちらも故事成語の一種ですが、それぞれ意味の違いはあるのでしょうか。
この記事では、「水魚の交わり」と「刎頸の交わり」の違いを分かりやすく説明していきます。
「水魚の交わり」とは?
「水魚の交わり」は「すいぎょのまじわり」と読む故事成語です。
水と魚とがお互いに切り離せない関係であることから、「とても親密な関係」「切っても切れない関係」のことを意味します。
中国の歴史書「三国志」の「蜀書・諸葛亮伝」において、劉備が諸葛孔明と自らの関係性を例えた言葉が由来とされています。
「刎頸の交わり」とは?
「刎頸の交わり」は「ふんけいのまじわり」と読む故事成語です。
「刎頸」は「首を切ること」を意味し、「この友のためなら斬首されても悔いは無い」と思わせるほど信頼し合える仲や、親密な友人のことを示します。
中国の歴史書「史記」の「廉頗藺相如列伝」において、廉頗と藺相如の仲を表す故事が語源とされています。
「水魚の交わり」と「刎頸の交わり」の違い
次に、「水魚の交わり」と「刎頸の交わり」の違いを分かりやすく解説します。
「水魚の交わり」と「刎頸の交わり」はどちらも「大変親密な関係性」のことを意味し、お互いに類語表現として紹介されることも多々あります。
大きな違いといえるのは、「水魚の交わり」の語源が「三国志」の「蜀書・諸葛亮伝」なのに対し、「刎頸の交わり」は「史記」の「廉頗藺相如列伝」であるという点です。
「水魚の交わり」の例文
「水魚の交わり」は、魚と水の関係性から「とても親密な関係」「切っても切れない関係」を表した故事成語です。
主として友人や夫婦、主従関係などに対して使用されます。
・『彼らは生まれも育ちも大きく違うが、水魚の交わりのような親友である』
・『両親の夫婦仲はまさに水魚の交わりといえる』
・『半世紀を超えて付き合っている友人とは、水魚の交わりといえるほど仲が良い』
「刎頸の交わり」の例文
「刎頸の交わり」は、「この友のためなら命を落としても悔いは無い」と思わせるほど信頼し合える間柄や、親密な友人関係のことを示す際に使用します。
・『貧しい時期に食べ物を分け合ったAは刎頸の交わりのような存在だ』
・『若い頃に苦労を共にした友人とは、今でも刎頸の交わりのような関係である』
・『刎頸の交わりといえる間柄と信じていた友人から裏切られてしまった』
まとめ
「水魚の交わり」と「刎頸の交わり」はいずれも「非常に親密な間柄」を意味しますが、それぞれの語源に違いがあることが分かります。
両者の意味を知ることで、故事成語への理解がより深まることでしょう。
ぜひ参考にしてください。