「戻す」と「戻る」はどのような基準で使い分ければいいのでしょうか。
この記事では、「戻す」と「戻る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「戻す」とは?
「戻す」とは、「以前の状態に返すこと」を意味する言葉です。
変化した状態から前の状態に返したり動かしたものを元の位置に置き返したりなど、変化した物体に手を加えて元に返すことを表します。
新しい状態や別の形に変化させるのではなく元々あった以前の様子に返すことを指します。
厳密に以前と全く同じ状態ではなくても元に返そうと思いできるだけ元の様子に近づける行為が「戻す」です。
「戻る」とは?
「戻る」とは、「元の場所や状態に引き返ること」を意味する言葉です。
移動や変質など元の状態から変わったものが進んできた方向とは逆の方向に引き返し元々の様子に返ることを表します。
完全に元通りになっていなくても歩みを止め以前のところに引き返そうとしていれば「戻る」と表現します。
「戻す」と「戻る」の違い
「戻す」と「戻る」の違いを、分かりやすく解説します。
「戻す」と「戻る」の違いは「他動詞か自動詞か」です。
動作を表す動詞のうち他の存在を動かす動作を表す言葉を「他動詞」といい、主体が自ら動作する言葉を「自動詞」といいます。
「戻す」と「戻る」はどちらも以前の場所や状態に返ることを意味しますが「戻す」は他動詞で「戻る」は自動詞です。
他動詞の「戻す」は他の存在を動かして以前の様子に返す動作に対して使い、自動詞の「戻る」は主体が自分で以前の状態に返る動作に対して使うという違いで使い分けられます。
何かを元へと返すのが「戻す」で自分が元に返るのが「戻る」です。
「戻す」の例文
・『借りた本を本棚に戻す』
・『散らかした部屋を片付けて元に戻す』
「戻る」の例文
・『ひとまず家に戻る』
・『ふりだしに戻る』
まとめ
「戻す」と「戻る」は他動詞と自動詞の違いで区別されます。
何が元に返っているのかを基準に使い分けてください。