「先」を使った言葉として「先んじて」と「先だって」があります。
2つの言葉はそれぞれ何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「先んじて」と「先だって」の違いを分かりやすく説明していきます。
「先んじて」とは?
「先んじて」とは、「他よりも先に行動すること」を意味する言葉です。
ライバルや競争相手など他よりも先に行うことを意味します。
人よりも先に行ったり早く行ったりすることを意味する言葉「先んずる」に助詞の「て」が付いた連用形で、後ろに続く動作を他よりも先にすることを示す表現です。
一般的には先にやることを肯定的にとらえる意味で使います。
一刻も早くやった方がいい内容を他よりも先に成し遂げることを表しますが、古語に当たる言葉なのでやや古めかしくあらたまった印象を持つかたい言い方です。
似たような意味の言葉として「いち早く」「さきがけて」などがあります。
「先だって」とは?
「先だって」とは、「基準となる物事よりも前にすること」を意味する言葉です。
何かの前に別の何かをすること、つまり事前にすることを指します。
基準となる物事を前提に使う表現なので、主となる物事に対し従となる行動を表す意味で使います。
示される行動は常に時間的に前を指すことから転じて「先日」「この前」など今よりも前の時間を表す意味でも使われる表現です。
「先んじて」と「先だって」の違い
「先んじて」と「先だって」の違いを、分かりやすく解説します。
「先んじて」と「先だって」の違いは「基準」です。
どちらも「先」という言葉を含む表現ですが、何を基準にしての先なのかが異なります。
「先んじて」は比較対象よりも先であることを意味します。
同じゴールを目指す相手がいる中で他よりも先であることを表す言葉です。
「先だって」は基準となる日時よりも先であることを意味します。
約束した日や誕生日など特定の日時よりも先に行動することを表す言葉です。
「先んじて」の例文
・『他社に先んじて実用化に成功する』
・『諸外国に先んじて支持を表明する』
「先だって」の例文
・『本番に先立って公開リハーサルが行われた』
・『フェスの開幕に先立って前夜祭を開催する』
まとめ
「先んじて」と「先だって」では意味が異なります。
何に対する先なのかを正しく理解しておきましょう。