この記事では、「代償行為」と「カタルシス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「代償行為」とは?
「代償行為」は心理学用語のひとつで、目的を達成できず傷ついた心を守るための自衛的行動を指す言葉です。
また、目的が達成されなかったことでの満たされない気持ちや欲求に対して、別の行動で満たされようとする行動心理を指す場合もあります。
いずれも、自分の心が傷つかないよう、別の行動に置き換えて疑似的に目的を達成したことにするといったニュアンスがあります。
例えば、旅行に行けなくなってしまったため高額な衝動買いをしてしまう。
あるいは、仕事でストレスを抱えてしまったために暴飲暴食をしてしまうなどは、「代償行為」の一種であるといえそうです。
「カタルシス」とは?
「カタルシス」は心理学用語のひとつで、不安定な精神状態からの脱却といったニュアンスの言葉です。
「心の浄化作用」とも表現され、対処が困難な衝動や欲求、感情などを、言語的または非言語的に表現することで発散され、精神症状や問題行動が消失する現象を指します。
日記を書く、セラピーを受けるなどは、言語化行動による心の浄化が期待できるといえます。
また、有名なカタルシス効果としては、音楽療法的作用が挙げられます。
例えば、ネガティブな感情の時に聞いた音楽が、サビで雄大で爽やかな曲調が現れた際に、重苦しい心が一気に解放され、ポジティブな感情が湧いてくることがあります。
これも、音楽的カタルシス、つまり「心の浄化作用」といえるわけです。
「代償行為」と「カタルシス」の違い
「代償行為」と「カタルシス」は、どちらも心理学的な要素の言葉ですが、その意味合いに違いがあります。
「代償行為」は、本来の目的が未達であった際に、置き換えの行動を取ることで心を守り、欲求を満たそうとする行動を指します。
対して、「カタルシス」は、心が困難な状況に追い込まれた時に、言語や音楽などに触れることで心が浄化され、塞ぎ込んだ気持ちが一気に解放されることで前向きになれる効果を表す言葉です。
まとめ
いかがでしたか。
「代償行為」と「カタルシス」は、心理学や行動心理に関する言葉です。
例えば、私たちが日常生活の中で、辛いことがあったときに音楽を聴いて癒されたいと思う行動や心理状態は「代償行為」、その聴いた音楽で心が癒され、前向きに気持ちになれたことを「カタルシス」と表現することができるでしょう。