この記事では、「頂けない」と「戴けない」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「頂けない」とは?
相手が親切心で高価な物をくれると渡そうとするとき、そのような品物は受け取れないと断る言葉が「頂けない」【いただけない】です。
元々は「頂ける」を否定する言葉ですが、動詞を補うために使われています。
丁寧に使うときは「頂けません」と言って、相手へ丁寧に断る気持ちを伝えるわけです。
また、前向きに受け入れられない要件であるとき、目上の者が年下に対して刺激しないよう気持ちを伝えるために使います。
「戴けない」とは?
動詞として使う「戴ける」に、打ち消す意味がある「ない」を掛け合わせた言葉が「戴けない」【いただけない】です。
意味は立場が上の者からそう簡単に高価な品を受け取れないと丁重に断る気持ちを伝えます。
ただ、「戴」は常用漢字としては使えず、本来は「頂」を使うのが一般的です。
また、公的な書類を作成したり、職場では伝わらない場合もありますので、使うときは注意しましょう。
「頂けない」と「戴けない」の違い
「頂けない」と「戴けない」の違いを、分かりやすく解説します。
受け取るには荷が重過ぎると感じるほど高価な品物であったり、立場がある者からの贈り物は少し遠慮したいと思う場合に「頂けない」と丁重に断る言葉として使われています。
もう一方の「戴けない」は、相手の前で差し出す物を控えめな態度で頭の上にのせるといった意味があり、昔は王様に即位する者の頭の上へと冠を控えめな態度で載せた行為を奉載といって使われるようになった言葉です。
「頂けない」の例文
・『上司が買って来た10万円もする皿は、そう簡単に頂けないと断った』
・『魂胆がありそうで、取引先から送ってきた商品券は素直に頂けない』
「戴けない」の例文
・『平社員の私が、素直に会長からの贈り物は戴けなかった』
・『市長が個人的に品物を渡すと言ってきたが、戴けないと断った』
まとめ
読み方が同じ言葉をご紹介しましたが、どう使い分けるかは意味を学んでみれば、うまく場面によって使えるようになるでしょう。