この記事では、「返上」と「返納」の違いを分かりやすく説明していきます。
「返上」とは?
「返上」とは上の立場にある相手になにかを返すことです。
物質的な物を返すことにも使われますが汚名「返上」と言うように物質的なものではないものにも使われます。
また「返上」は自分をへりくだって言う敬語の謙譲語であり、ただ何かを返すことの敬語表現として使われることもある言葉です。
自分が企業側で客という関係性だと敬語表現で会話することになりますが、客が企業に返すことを「返上」と表現すると下の立場にいる客が上の立場の企業に返すことという意味になるので注意が必要でしょう。
「返納」とは?
「返納」とは借りたお金や物を元あった場所や元々持っていた人に返すことです。
また免許証や証明書の取り消し手続きをすることを「返納」と呼ぶよう法律で定義されているので、元ある場所というわけでも元々の持ち主というわけでもありませんが免許や証明書の取り消しも「返納」と言います。
「返納」はお金や物など物理的にあるものにだけ使うので無形のものを返すことには使われません。
「返上」と「返納」の違い
「返上」と「返納」の違いを、分かりやすく解説します。
上の立場にある相手になにかを返すのが「返上」で、なにかを元あった場所や元々の持ち主に返すことが「返納」です。
「返上」は謙譲語ですが「返納」は敬語ではありません。
また「返上」は有形の物にも悪評など無形のものにも使われる言葉ですが、「返納」は物理的に存在している物を返すことだけに使われます。
まとめ
上の立場の相手に何かを返すこと兼返すことの謙譲語が「返上」で、元々の場所や持ち主に何かを返すのが「返納」という違いになります。
返すという行為自体が元あった場所に何かを戻すことを指すのではと思うかもしれません。
しかし恩を返すなど返すという言葉は元あった場所に戻すものとは限らないので、返すの敬語である「返上」と「返納」はしっかりと意味が違う言葉と言えるでしょう。