昭和期の漫画のおでん屋台で登場する大根!?
この記事では、「三浦大根」と「普通の大根」の違いを分かりやすく説明していきます。
「三浦大根」とは?
野菜や果物の品種では諸般の事情で既存の品種が新品種に淘汰、駆逐される事は珍しくありません。
コシヒカリと双璧を誇ったササニシキが平成の大冷害で姿を消したのは有名な話だと言っていいでしょう。
それと同様のケースが「三浦大根」にも起きました。
1979年秋の台風の影響を受け大被害を受けると翌年からは当時の新品種であった青首大根に転作する農家が続出。
また台風被害は別として世相の変化で大型の大根の需要減の背景も既にあったのは間違いありません。
こうして青首大根の導入からわずか数年で「三浦大根」は完全に非主流派に転落する事になってしまいました。
「普通の大根」とは?
現在日本で普及している大根は青首大根であり、実は誕生してから50年もまだ時間が経過していません。
野菜を食べて昔のものと味が違うと語る年輩の方がいらっしゃいますが、大根に関しては完全にその通りでしょう。
青首大根の誕生は1974年。
それから10年も経過せずに全国へ拡散されていく事になりました。
青首大根はもともと尾張伝統野菜でもある青首系の宮重大根をベースに改良が施されたものです。
関東で食べられていた練馬大根、三浦大根、大蔵大根は昔ながらの伝統野菜かつ白首系の大根でした。
「三浦大根」と「普通の大根」の違い
「三浦大根」と「普通の大根」の違いを、分かりやすく解説します。
「三浦大根」は関東を代表する「練馬大根」から生まれた白首系の大型大根。
練馬大根同様に保存性に優れているのも特徴的です。
特に冬に旬を迎える事もあり、おでんの大根としては一般的でした。
「普通の大根」は現在の国内流通量の90%以上を占める「青首大根」を指します。
食味もさることながら、既存の大根より病気に強いことや年間を通して栽培可能なため、誕生からわずか10年で全国に浸透。
既存種を駆逐する事になりました。
まとめ
「三浦大根」は神奈川県三浦半島で収穫した白首系大根を指します。
現在では他地域の伝統野菜と同様に僅かな量しか栽培されていません。
「普通の大根」は日本国内の90%以上を占める青首大根だと言っていいでしょう。