この記事では、「まごうかたなき」と「まごうことなき」の違いを分かりやすく説明していきます。
「まごうかたなき」とは?
確かな証拠があり、信頼して挑める状態にあるので、なんら疑わず取り掛かればよいと伝えられる言葉が「まごうかたなき」です。
疑いがないため素直に相手から品を受け取れば良い関係になると伝えて、気持ちを変えさせる効果があります。
主に、立場が上の者が部下に対して取引する場面で「大丈夫、安心してやり取りすればいい」といった意味で使う言葉です。
「まごうことなき」とは?
「まごうかたなき」とまったく同じ意味で使えるのが「まごうことなき」です。
元々は「紛う方なき」として使われていた言葉が、「迷うことなく」と解釈する現代においては「まごうことなき」と使う方が言いやすく、多くの人が認識する言葉になっています。
間違いがない言葉ではありますが、公的な場面や職場ではあまり使わない方が無難な言葉です。
「まごうかたなき」と「まごうことなき」の違い
漢字では「紛う方なき」と書いて「まごうかたなき」と読むように、本来はこのように使う方が正しい言葉です。
嘘がなく、真実である理にかなっているので大丈夫といった意味があり、迷わず突き進めと背中を押してあげる意味で使います。
もう一方の「まごうことなき」は誤った言い方でもなく、若い人の間では一般化された言葉です。
ただ、年配の方や文学に長けている人に使うと誤解を生む場合もあるため、「まごうかたなき」と覚えておいた方がいいでしょう。
「まごうかたなき」の例文
・『教師が話す火災の話を調べると、まごうかたなき事実であった』
・『村に伝わるまごうかたなき話を聞いた青年は奮い立った』
「まごうことなき」の例文
・『上司の言葉を信じた部下は、まごうことなき商談に挑んだ』
・『勝利を信じ、まごうことなき勇ましく運動場へ向った』
まとめ
意味がまったく同じである言葉を取り上げましたが、正しい使い方を学んでおけば、状況によってうまく使えるようになるでしょう。