この記事では、「おしなべて」と「あまねく」の違いを分かりやすく説明していきます。
「おしなべて」とは?
おしなべては、押し並べてとも表記される言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、おさえるという意味を持っているおしの文字に、全てとか総じてといった意味を所有する、なべての文字を組み合わせる事で誕生した言葉となっています。
以上の事からおしなべては、全体に渡ってや一様に、在り来たりといった意味を示すのです。
源氏物語に登場する様なかなり古い言葉であり、おしなべては物事をやや大雑把に全体で捉えるといった意味に用いられています。
「あまねく」とは?
あまねくは、遍くや普くとも表記される事がある言葉です。
そんなあまねくは、形容詞であるあまねしの連用形が副詞化した語となっています。
更にあまねくは、漏れる事なく全てに行き渡っている様子や、一般に等といった意味を表すのです。
つまりあまねくは、物事が広く知れ渡ってしまっている状態や様子を表現する言葉として、使われています。
「おしなべて」と「あまねく」の違い
おしなべてとあまねくの文字表記を並べて比べてみると、使用している文字も読み方も全然違う言葉であると直ぐに気付く事が可能です。
所がどちらも、全体的といった意味を表現する言葉であるため、いざ使い分けを意識すると混同する恐れはないとは言い切れません。
とはいえ似た様な意味でニュアンスには違いが見られ、おしなべては、全体に渡ってという意味でざっくりとした表現です。
もう一方のあまねくは、漏れなく全てに及んでいる様といった意味であり、より広く知れ渡っている状態等を示します。
まとめ
2つの言葉は使用している文字も読み方も、似てはいません。
ですが指し示す意味には似た部分もあるため、使い分けを意識するとどちらの語を選択すべきかで迷うケースは十分に有り得ます。
ただし意味合いのニュアンスには相違点があり、おしなべては、一様に全体に渡ってという意味であり、ややざっくりとした意味になるのです。
対するあまねくは、漏れる事なく全てに及ぶといった意味であり、おしなべてよりも、もっと厳密に全体的なという意味を表します。