この記事では、「上長」と「上司」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
上長と上司の違い
「上長」は、役職や年齢が上のこと、またはその人のことです。
「上司」は、その人よりも役職が上のこと、またその人のことです。
どちらも役職のことを意味している点では同じです。
その点は意味が同じでも違う点があります。
「上長」の場合は、敬うべき人という意味合いが含まれていますが、「上司」の場合はそのような意味は含まれていません。
敬うとは、礼儀を尽くすことです。
相手を尊敬している気持ちが含まれています。
しかし、現在の「上司」は敬うべき存在として見られていないことがあります。
また、「上長」は地位だけでなく、生まれてから経過している年月に関しても使われる言葉です。
一方、「上司」は年齢は関係ありません。
一昔前の日本の年功序列の社会では、年齢が重視されていましたが、現在はどれだけ仕事ができるかなど、その人の能力で「上司」が選ばれるようになってきたため、「上司」が年下のこともあります。
上長と上司の使い方の違い
「上長」は役職や年齢が上のこと、またはその人のことを指す場合に使われます。
敬う相手という意味も込められています。
「上司」はその人よりも地位が上の人を指す場合に使われます。
会社で使われる言葉です。
地位は会社にだけあるのではありません。
そのため、「上長」は会社以外の場面でも使われます。
上長と上司の英語表記の違い
「上長」は英語では“superior”と表記します。
“superior”には、目上の人という意味も含まれています。
「上司」は英語では“boss”と表記します。
ボスとは親玉のことです。
親玉とは、仲間の中心になる人物、頭のことです。
「上司」は会社のある部署、つまり組織の中の中心人物であり、組織の人々を統率する人でもあります。
上長の意味
「上長」には、その人よりも地位や年齢が上のこと、その人のことという意味があります。
地位というと会社組織を思い浮かべますが、それ以外の場面にもあります。
国際的な立場での地位、地域社会での地位、市場での地位などさまざまな地位があります。
人に関して使われる言葉なので、市場など人以外のことには使われませんが、さまざまな場面に地位が存在します。
また、「上長」には敬う気持ちが含まれています。
単に地位が上、年齢が上というだけではないのです。
尊敬されるような人という意味も含まれます。
上長の使い方
役職が上、生まれてからの年月がある人よりも経過していることを指す場合に使われます。
話し言葉としては現在使われる頻度は少なく、「目上」という言葉が使われることの方が多いです。
上長を使った例文
・『上長の指示を仰ぐ』
・『上長に配慮した態度をとるように気を付ける』
・『上長の命令を固く守る』
・『上長にきちんと挨拶をする』
・『上長のような人になることを目指している』
上長の類語
「上長」の類語は、「目上」「長上」です。
「目上」も「長上」も、その人よりも地位や年が上ことや、その人のことを意味します。
話し言葉で一般的に使われているのは「目上」です。
上長の対義語
「上長」の対義語は「目下」です。
目下には、年齢や地位がその人よりも下のこと、またはそのような人のことという意味があります。
「目」という漢字には、頭という意味があります。
上司の意味
「上司」は、ある人からして役職が上の人のことです。
会社組織には役職があります。
下から、一般社員、主任、係長、課長、次長、部長、常務、専務、社長などとなっています。
一般社員にとっての「上司」は主任や係長などになり、次長にとっての「上司」は部長や常務など、自分よりも上の地位に人になります。
上司の使い方
「上司」は会社組織の中で使われる言葉です。
上司を使った例文
・『上司からいろいろなことを学ばせてもらっている』
・『上司の存在が怖い』
・『仕事で失敗をして上司に叱られてしまった』
・『部下を褒めて育てる上司』
・『新しい上司がやってきた』
上司の類語
「上司」の類語は「上役」「ボス」です。
「上役」とは、自分よりも上の役職の人のことを意味します。
「ボス」は組織での中心となる人物のことです。
上司の対義語
「上司」の対義語は「部下」です。
部下とは、組織などでその人よりも下の地位にいるもののことを意味します。
たとえば、係長の部下は一般社員が部下になります。
一般社員から見たら係長は「上司」です。
まとめ
どちらもある人にとっての役職が上の人のことを指していて、その点では意味が同じです。
しかし、「上長」は年齢のことについても使われる言葉です。
「上司」にはその意味は含まれていません。
また、「上長」は尊敬される存在ですが、「上司」は必ずしも尊敬されているわけではなく、この点でも2つの言葉が含む意味が異なります。