箱根神社と九頭竜神社を建てる前に熱海温泉を開湯していた伝説の法僧とは?
この記事では、「箱根神社」と「九頭竜神社」の違いを分かりやすく説明していきます。
「箱根神社」とは?
その歴史は古く鎌倉時代の文献によれば欠史八代の1人第5代孝昭天皇の時代に創祀されたと言います。
つまり紀元前475年〜紀元前393年にあたり、当然信憑性は高くないと言えるでしょう。
それでも奈良時代の757年に鹿島神宮寺を建立し、熱海温泉開湯の祖となった万巻上人が朝廷の命を受けて現在の場所に箱根権現を祀る社殿を建てたと言います。
この事から既に奈良時代以前から箱根は山岳信仰の一大霊場であった事がわかるはずです。
以降は名だたる武将が勝利祈願で訪れた事でも有名。
坂上田村麻呂、源頼朝、徳川家康と歴代の征夷大将軍が崇敬。
特に最晩年を駿府城で過ごした家康による手厚い寄進で社殿の造営と街道整備が行われて、より多くの人が訪れる場所になっていたのは間違いないでしょう。
現在の箱根神社の名称になったのはまだ新しく明治元年の神仏分離によるもので関東総鎮守箱根大権現から名前が変わる事になりました。
「九頭竜神社」とは?
前述した万巻上人は現在の茨城県から静岡県熱海へ向かう途中で海で法力を発揮し炎を鎮めたと言います。
その法力で芦ノ湖に棲む9つの頭を持った毒竜を懲らしめて調伏。
それにより毒竜が芦ノ湖の守り神である龍神に変化。
それを万巻上人が水神として祀る社殿を建立したのが現在の九頭龍神社本宮と言われています。
「箱根神社」と「九頭竜神社」の違い
「箱根神社」と「九頭竜神社」の違いを、分かりやすく解説します。
万巻上人によって両社ともに社殿を建立。
前者は瓊瓊杵尊、木花咲耶姫命、彦火火出見尊の3神を併祀した箱根大神を祀ったものです。
後者は芦ノ湖に棲んでいた毒竜が万巻上人に調伏後に九頭龍大神を祀ったものと御祭神の違いがあります。
言い換えれは神話の時代から存在した神と奈良時代に神になった龍の違いと言っていいでしょう。
また前述した通り箱根大神は三神からなりますので多種多様な願いに対応しているのが特徴的。
一方の九頭竜大神は近年では縁結びで注目を集めていますが、本来は商売繁盛・金運守護・心願成就に御神徳が高いと言われています。
まとめ
「箱根神社」と「九頭竜神社」は現在の場所に社殿が建てられたのはほぼ同年代だと言っていいでしょう。
しかし御祭神が箱根大神は3神からなるのに対して、九頭竜大神は1神の龍神です。
そのため御神徳が多種多様なのが「箱根神社」だと言っていいでしょう。
「九頭竜神社」も近年良縁成就だけが注目を浴びていますが、「箱根神社」同様に心願成就にも強い御神徳を持ちます。
現代風にいえばワンストップで多種多様な御神徳を願える「箱根神社」と商売繁盛・金運守護・心願成就・良縁成就に特に強みをもつ「九頭竜神社」と言うところでしょう。