この記事では、「牛ノ戸焼」と「中井窯」の違いを分かりやすく説明していきます。
「牛ノ戸焼」とは?
牛ノ戸焼とは、鳥取市河原町で焼かれている焼き物のことをいいます。
江戸時代に、金河藤七という陶工によって開窯しました。
その後、昭和の時代には衰退していましたが、民藝運動が盛んになったことで復興を果たしています。
牛ノ戸焼は緑と黒の釉薬を半々にかけているのが特徴で、モダンな雰囲気も感じられます。
トレードマークは梅紋の刻印で、初代から現代まで継承されてきました。
シンプルなデザインで、お皿やコーヒーカップ等日用雑器が焼かれています。
「中井窯」とは?
中井窯は、鳥取市河原町にある窯元です。
中井窯は、牛ノ戸焼の脇窯として1945年に誕生しました。
鳥取で民藝運動を指導していた吉田璋也の指導を受け、新作民芸が次々生み出されています。
中井窯の特徴は、緑と黒、白の釉薬を使って染め分けているところにります。
釉薬が均一に施されていて、そのデザインは大胆です。
お皿や湯飲み、飯椀など日常の生活に必要なものが色々あります。
また、中井窯では鳥取の自然を取り入れた特別急行列車「スーパーはくと」の手洗い鉢も手掛けています。
「牛ノ戸焼」と「中井窯」の違い
中井窯は、牛ノ戸焼の脇窯として誕生しました。
どちらも鳥取市河原町に窯元があり、車で5分程の近い距離にあります。
釉薬によって色を使い分けていることは共通しており、色使いやデザインなど作風はとてもよく似ています。
ただし、牛ノ戸焼には貫入と呼ばれるヒビのような細かい模様があります。
中井窯には、そういった模様はありません。
均質で滑らかな質感になっています。
そのため風合いは微妙に異なります。
まとめ
中井窯は、牛ノ戸焼の脇窯として誕生した焼き物です。
色使いなど作風はよく似ていますが、貫入というヒビのような模様の有無に違いがあります。
貫入があるのが牛ノ戸焼で、貫入がないのが中井窯です。