この記事では、「京友禅」と「西陣織」の違いを分かりやすく説明していきます。
「京友禅」とは?
京友禅とは京都の伝統的な染織物で、江戸時代に扇絵師の宮崎友禅が考案したといわれています。
色彩が豊かで、豪華絢爛なのが京友禅の特徴です。
異なる色が滲んだりしないように、糊を置いていく技法が用いられます。
手描きだと非常に手間がかかりますが、現代では簡略化された技法を用いることが多いです。
京友禅では、絵画的に動物や器物が流れるように描かれています。
金糸・銀糸の刺繍や金箔、絞りも施されており、非常に華やかな着物に仕立てることができます。
「西陣織」とは?
西陣織とは、京都の西陣という地域で作られている絹織物のことをいいます。
西陣という地名があるわけではなく、京都の上京区と北区を中心とする地域のことを指しています。
この辺りは、応仁の乱の折に西軍が本陣を置いたことから西陣と呼ばれるようになりました。
西陣織は先染めの糸を使い、様々な技法で文様を作り出していきます。
西陣織の織り技法には、綴(つづれ)や経錦(たてにしき)、緯錦(ぬきにしき)、緞子(どんす)、朱珍(しゅちん)等12種類もの品種があります。
これらの技法を駆使することで多種多様な文様を生み出すことができるため、西陣織に織れないものはないといわれています。
「京友禅」と「西陣織」の違い
京友禅も西陣織も京都の伝統工芸品ですが、模様の染め出し方に違いがあります。
京友禅は真っ白な生地に染料で絵を描き、染め出していきます。
それに対して西陣織は、先に染められた糸を使った文様を織り出します。
京友禅は豪華絢爛で華やかなものが多いですが、西陣織は豪華絢爛なものから落ち着いた文様まで色々あります。
まとめ
京友禅と西陣織の違いは、文様の染め方にあります。
真っ白な生地に染料で絵を描き染めていくのが京友禅で、鮮やかに染めた糸を使って織りあげるのが西陣織です。
京友禅は後染めで、西陣織は先染めになります。