19世紀の大英帝国がもたらした紅茶文化の違いとは?
この記事では、「セイロンティー」と「ダージリン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「セイロンティー」とは?
スリランカの1972年までの旧国名セイロンが冠になっているのは若い方にとっては知らない方も多いのではないでしょうか。
世界の10%の茶葉の生産量を誇るスリランカで生産されたものを指します。
この地域で権勢を誇った大英帝国により持たされた茶葉の生産は現地のテロワールに合致。
主に山岳地で作られ畑と製茶工場の存在する標高で大別されています。
それぞれで味わいが違う事でも有名です。
「ダージリン」とは?
紅茶のシャンパンとも称されるのが「ダージリン」です。
インド西ベンガル州ダージリン県及びカリンポン県のみのチャノキから作られた茶葉の名称。
日本における1988年末からの紅茶ブーム時には曖昧な定義にしか過ぎませんでした。
しかし現在では明確に地理的表示登録がされているため、この両地域以外の茶葉は「ダージリン」を名乗れません。
基本的には紅茶を指しますが、時代の潮流の変化から白茶、緑茶、烏龍茶に適合する茶葉を生産している茶園も増えており、これらも総じて「ダージリン・ティー」になります。
「セイロンティー」と「ダージリン」の違い
「セイロンティー」と「ダージリン」の違いを、分かりやすく解説します。
両者ともに19世紀の大英帝国下のもとで定着したことに変わりはありません。
前者はスリランカの旧国名かつ世界でも有数の島であるセイロン島で作られた茶葉を指します。
品種よりも茶葉と製茶工場で分類されているのが興味深い点だと言えるでしょう。
後者はインドの西ベンガル州ダージリン県とカリンポン県で生産された茶葉を指します。
2000年代に地理的表示認定されており、この地区以外で作られた茶葉には「ダージリン」の名称は使う事はできません。
それでも生産量の5倍以上の「ダージリン・ティー」が取引されているのが現状。
また時代の趨勢から取り扱われる茶種も以降しているのが特徴です。
アッサム変種がメインであった時代から現代では白茶はもとより世界的ブームに乗った緑茶にあった茶種を生産している茶園もあるほどです。
まとめ
「セイロンティー」はスリランカの山岳地帯で作られている茶葉を指し、商標登録が済まされています。
ウパ茶など生産地の名称で呼ばれる事もありますが、基本的には茶畑・茶園・製茶工場の存在する標高で三種類に分類されます。
これに対して「ダージリン」はインド西ベンガル州ダージリン県とカリンポン県で作られた茶葉の地域表示認定されたもの。
基本的には紅茶を指しますが、その生産量は減り現在では多様性を垣間見る事ができると言えるでしょう。