シンプルとゴージャスそれぞれ違った美しさの黒系アゲハチョウの違いとは?
この記事では、「クロアゲハ」と「カラスアゲハ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「クロアゲハ」とは?
アゲハチョウ科に属するいわゆる黒いアゲハチョウです。
漆黒の身体を持ちながらも後翅外縁に赤斑、実質オレンジの鮮やかな紋様を持つのが特徴。
幼生時の食料として主に柑橘類の葉を食べるが故に赤紋になると冗談交じりに話す教師もいるも当然関係はありません。
ただし年に2回以上発生する事が一般的。
同一種でも春に発生する「クロアゲハ」の方が小型で体色が濃い理由についてはわかっていません。
本州以南の広域で生息が確認されるアゲハチョウです。
「カラスアゲハ」とは?
アゲハチョウ科に属するポピュラーな黒いアゲハチョウ。
全国に生息するも街中では余り見掛けないのが特徴。
幼生はミカン科でもコクサギ、キハダの木の葉を好んで食べるため「クロアゲハ」とはあまり生息域がかぶりません。
どちらかと言えば山間の渓谷に生息しており、川原で集団で吸水活動をする事もしばしば見掛けられます。
外見的には美しい青みがかった羽根が印象的だと言えるでしょう。
仲間の「ミヤマカラスアゲハ」が急速に姿を消している事で知られており、日本全体での環境省のレッドリストには掲載されていませんが、香川県では2種ともに準絶滅危惧種になってしまいました。
「クロアゲハ」と「カラスアゲハ」の違い
「クロアゲハ」と「カラスアゲハ」の違いを、分かりやすく解説します。
生息域が完全に違い、前者は本州以南の日本各地に棲息するのに対して、後者は北海道を含む日本全国に棲息します。
また外見的な特徴としてはカラスアゲハは黒い羽根に美しい青が混じっているのが特徴。
「クロアゲハ」の方が簡素な黒と赤紋のシンプルな外見をしています。
ともに年数回発生し、春型の方が色が濃くなりますが、これはアゲハチョウ科全体の特徴で2種に限った事ではありません。
幼生時には二種ともに柑橘類の葉を好みますが、それぞれ好みが違い棲み分けがされています。
「カラスアゲハ」は山間の渓谷で良く見られ街中で見掛ける事は少ないため、普段見掛ける黒いアゲハチョウはほぼ「クロアゲハ」だと言えるでしょう。
まとめ
「クロアゲハ」はその名前の通り見た目が黒いのが特徴。
「カラスアゲハ」は黒みをおびた青や紫の前翅を持ちます。
棲息域が異なるのに加え、幼体が好む柑橘類の葉も余り被りが見られません。
特に「カラスアゲハ」は品種改良されたミカン科の樹木は好まないとされており、必然的に山奥の渓谷に棲息すると言っていいでしょう。