アキアカネよりも鮮烈な色のアカトンボ?
この記事では、「ナツアカネ」と「ショウジョウトンボ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ナツアカネ」とは?
名前から解る通り、アカネ属の仲間で世界に50種類見られるアカネ属のうち日本で見られる21種の1種になります。
秋の「アキアカネ」と名前的にもなっており、古くから有名なトンボの種類と言っていいでしょう。
広義的にはアカトンボ属とも言われる通りに成熟した成虫は体色が赤くなるのが特徴だと言えるでしょう。
成熟していない成虫は黄色がかっており、かつて街中にも水田が溢れていた時代には夏場に田んぼで見掛ける黄色のトンボといえば本種を指す場合が多かったと言えるでしょう。
「ショウジョウトンボ」とは?
中国の化け物「猩猩」がその名前の通りに真っ赤な体色を持ったトンボが「ショウジョウトンボ」です。
広義には「アカトンボ」にはいりますが、アカネ属ではないため正式には「アカトンボ」ではありません。
ある意味不遇のトンボとも言えます。
「アカトンボ」の代表とされる「アキアカネ」とは目の色が違うため判別しやすいもの、「ナツアカネ」とは見た目がよく似ているため遠くからの観察では判別しずらいとも言えます。
「ナツアカネ」と「ショウジョウトンボ」の違い
「ナツアカネ」と「ショウジョウトンボ」の違いを、分かりやすく解説します。
まず雌については前者は黄色味がかかり、成熟すると腹部に赤化が見られるので比較的判別は容易だと言えるでしょう。
また前者はズンドウなのが特徴的。
後者は腹部が全体的に細めだと言えます。
また生態も違っており、街中で見られる「ナツアカネ」は黄色が多く一旦羽化水域を離れて、森林や山の麓で生息します。
「ショウジョウトンボ」は縄張り争いが活発なので羽化水域を離れる時は生存競争に敗れた時だとも言えるでしょう。
また夏場に見掛ける真っ赤なトンボは「ショウジョウトンボ」の雄がほとんどです。
まとめ
両者ともに成熟した雄が真っ赤になる事で知られています。
外見的な違いは特に胴が細身なのが「ショウジョウトンボ」だと言っていいでしょう。
また「ナツアカネ」は成熟する前は羽化水域を離れて森林地域で棲息するのに対して「ショウジョウトンボ」は基本的羽化水域周辺で過ごします。
生態が大きく違い縄張り争いが活発なのも特徴と言えるでしょう。
真夏に街中で見掛けるトンボは「ショウジョウトンボ」がほとんどです。