「怪しく」と「妖しく」はどちらも「あやしく」と読みますがどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「怪しく」と「妖しく」の違いを解説します。
「怪しく」とは?
「怪しく」とは、「状態がはっきりせず不気味で疑わしい印象を受けること」を意味する言葉です。
「怪しく」の使い方
正体不明で実態がよくわからない事によって感じられる胡散臭さや不気味さ、正体を隠しているのではと思われる疑わしさのことを「怪しい」といいます。
「怪しく」は「怪しい」の連用形で「怪しい」と見えたり思えたりする場合に使う表現です。
対象を見て心の中に湧き上がる気持ちを表す言葉であり原因となっている存在とは直接的に関係がない受け取り手の個人的な感情です。
「妖しく」とは?
「妖しく」とは、「正体不明だが神秘的で不思議な魅力があること」を意味する言葉です。
「妖しく」の使い方
素性や正体がはっきりしないどこか人間離れした雰囲気があるさまのことを「妖しい」といいます。
「妖しく」は「妖しい」の連用形で浮世離れした魅力を持つ人やまともではないのに何故か惹き付けられるものに対して用いる表現です。
非日常的な魅力を表す言葉であり具体的に説明できるような論理的な存在ではないものが持つ雰囲気に対して使います。
「怪しく」と「妖しく」の違い
「怪しく」と「妖しく」の違いは「魅力」です。
「怪しく」ははっきりしないことに対する不気味さや疑わしさなど相手を警戒する気持ちを表しているのに対し、「妖しく」は人間離れした神秘性や危険だと分かっているのに手を出してしまう気持ちなど言葉では言い表せない魅力を表します。
相手とできるだけ距離を取ろうとするのが「怪しく」、離れた方がいいと分かっていながらも距離を詰めてしまうのが「妖しく」という違いで使い分けられます。
まとめ
「怪しく」と「妖しく」はどちらも正体のわからない胡散臭いものに対して使う言葉ですが対象の評価に大きな違いが見られます。
微妙なニュアンスの言葉なので印象に応じて使い分けましょう。