瞬く光と揺らめく光の違い?
この記事では、「蛍光」と「燐光」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蛍光」とは?
その文字通り蛍の光をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、実際には「蛍光灯」の光り方が一般的だと言えるでしょう。
実のところ蛍の発光現象は化学反応ですから、科学的な「蛍光」の意味合いとは根底から違います。
科学的には「蛍光体」に光をあてた時に即時に蓄えた光を放出。
その時1/10億秒から1/10万秒の速さで瞬時に消えるの「蛍光」です。
まさに瞬くという表現に相応しい光り方だと言っていいでしょう。
「燐光」とは?
「燐光」の一般的なイメージはいわゆる火の玉、鬼火、狐火でホラー映画や墓地を連想させる蒼白い炎だと言っていいでしょう。
実際に古今東西関わらずこのイメージは定着しています。
実際に黄燐が空気中で蒼白く燃える現象なのは化学の実験で知られるとおりです。
一方で科学的にも説明がついており、「燐光体」に光をあてると光を放出します。
1/1000秒から10秒というゆっくり光るのが「燐光」だと言っていいでしょう。
火の玉がユラユラと燃える様と相成っています。
「蛍光」と「燐光」の違い
「蛍光」と「燐光」の違いを、分かりやすく解説します。
「蛍光」「燐光」ともにルミッセンス現象と言えます。
具体的には電子が外部からエネルギーを得て励起から基底状態に戻る時の軌道のエネルギー差が光と言っていいでしょう。
前者はエネルギーを得て励起しますが、ふたつの電子が一重項状態のままで元に戻ります。
後者は基底状態は一重項状態でエネルギーを得て励起すると三重項状態に変化。
その後に一重項状態に戻る時に光を放出します。
この時間差が「蛍光」と「燐光」の違いだと言っていいでしょう。
まとめ
「蛍光」は蛍の灯、儚い、弱々しい光を表現する場合があります。
科学的には蛍光体にエネルギーが受けた時に1/10億秒から1/10万秒で瞬時に光を放つって消える現象を指します。
一方の「燐光」は鬼火や狐火など蒼白く揺らめく火の玉を指す場合が古今東西関わらず見られると言っていいでしょう。
これは特に土葬が盛んな地域や時代、現代では沼地で見られる化学反応。
科学的な「燐光」は「燐光体」がエネルギーを受け、1/1000秒から10秒とゆっくり光る現象を指します。