この記事では、「山地災害危険地区」と「土砂災害警戒区域」の違いを分かりやすく説明していきます。
「山地災害危険地区」とは?
山地災害が発生する危険度が基準以上の地区のことをいいます。
山崩れや土石流、地滑りといった山地に起因して起こる災害です。
山腹崩壊危険地区と崩壊土砂流出危険地区、地すべり危険地区の3つに分けられます。
山腹崩壊危険地区は、山崩れや落石などで人家や公共施設に災害が発生する恐れがある地域です。
過去に山崩れがあった場所や水の集まりやすい斜面地形などが該当します。
崩壊土砂流出危険地区は、地滑りや山腹崩壊などで発生した土砂が流出して被害が出る恐れがあるところをいいます。
過去に土石流が発生していたり、渓流の勾配が急だったりするところが該当します。
「土砂災害警戒区域」とは?
土砂災害警戒区域とは、土石流やがけ崩れといった土砂災害が発生する危険性のある地域のことをいいます。
土砂災害防止法という法律に基づいて、指定されるものです。
その中でも特に危険性の高い区域は、土砂災害特別警戒区域に指定されています。
土砂災害警戒区域はイエローゾーンとも呼ばれていて、土砂災害特別警戒区域はレッドゾーンとも呼ばれます。
全国におよそ50万か所以上の土砂災害警戒区域があるとされます。
「山地災害危険地区」と「土砂災害警戒区域」の違い
山地災害危険地区を所管しているのは林野庁で、法令に基づくものではありません。
土砂災害警戒区域は国土交通省が定めた基準に則り、都道府県が指定を行っています。
土砂災害防止法という法令に基づいて指定されたものです。
山地災害危険地区も土砂災害警戒区域も開発などの規制はありませんが、土砂災害特別警戒区域は開発の規制があります。
まとめ
林野庁が所管しているのが山地災害危険地区で、法令に基づいたものではありません。
国土交通省が所管し都道府県が指定しているのが土砂災害警戒区域で、法令に基づいたものです。