「転貸資金」と「迂回融資」はどちらも金融に関係する言葉です。
2つの言葉はそれぞれ何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「転貸資金」と「迂回融資」の違いを解説します。
「転貸資金」とは?
「転貸資金」とは、「借り入れた資金を別の相手にそのまま貸し付けた資金」を指す言葉です。
「転貸資金」の使い方
金融取引における融資ではお金を貸す側と借りる側が1対1でやり取りするのが基本です。
融資によって調達した資金は事業や物品購入などに利用しますが、中には借入利率よりも高い利率で貸し付ける人もいます。
借入金の又貸し行為を「転貸」といい、転貸されたお金を指す言葉が「転貸資金」です。
金融機関から借り入れた資金をそのまま第三者に貸し付けること又貸し行為は通常融資規約によって禁止されている行為なので「転貸資金」は正当な手段で調達していないお金にあたります。
「迂回融資」とは?
「迂回融資」とは、「直接の融資が困難な相手に対し第三者を介して行う間接融資」を指す言葉です。
「迂回融資」の使い方
信用不足や融資規制など直接的に融資が認められない相手に対し関連企業など第三者に対して融資を実行しそこから本来の相手に対して資金を供給するやり方を指します。
一般的には融資額が信用限度額を超えないようにする目的で行われます。
「転貸資金」と「迂回融資」の違い
「転貸資金」と「迂回融資」の違いは「融資の意図」です。
どちらも金融機関から貸し出されたお金が融資先とは別の相手に渡っていますが「転貸資金」は融資した金融機関が禁止しているにもかかわらずルールを無視して勝手に又貸しされた資金を指すのに対し「迂回融資」は最終的に本来融資したい相手に渡ることを前提とした規制回避を目的に金融機関ぐるみで行われる第三者への融資を指す言葉です。
「転貸資金」の例文
・『転貸資金の有無を調査する』
・『転貸資金になるとわかっていて融資する銀行はない』
「迂回融資」の例文
・『迂回融資の実態が判明した』
・『規制を回避して資金を調達するため迂回融資を目論む』
まとめ
「転貸資金」と「迂回融資」は構造は似ているものの実態は全くの別物です。
仕組みを正しく理解して区別しましょう。