「墨彩画」と「水墨画」はどちらも墨を使って描く絵画ですが、どのような違いで区別されるのでしょうか。
今回は、「墨彩画」と「水墨画」の違いを解説します。
「墨彩画」とは?
「墨彩画」とは、「墨で書いた絵に絵の具で色をつける絵画」のことです。
「墨彩画」の使い方
黒い墨で描いた絵に顔彩と呼ばれる日本画用の絵の具で彩色した絵を指します。
基本になるのは墨で書いた墨絵の部分であり、墨絵だけでも成立する絵の上に絵の具で彩色したものを「墨彩画」といいます。
黒い部分と色のついた部分とで画材を使い分けているだけではなく、墨絵として単品でも成立しているものにさらに彩色を施して異なる表現に仕上げた絵が「墨彩画」です。
「水墨画」とは?
「水墨画」とは、「墨だけを使って表現する絵画」です。
「水墨画」の使い方
絵の具を使わず画材として墨のみを使う絵画技法の一種です。
使用する画材は墨だけなので当然黒一色ですが、水分量を調整し濃淡や明暗をつけることで奥行や立体感を描き出します。
主に東アジアを中心に用いられている絵画技法で彩色がないために画面構成から無駄なものが省かれ被写体本来の姿をありありと描き出します。
「墨彩画」と「水墨画」の違い
「墨彩画」と「水墨画」の違いは「色」です。
どちらも墨を使って描く墨絵の一種ですが「墨彩画」は墨で描いた絵の上に顔彩で色を乗せて完成するのに対し「水墨画」は墨だけを使って描き上げます。
「墨彩画」は墨と絵の具を使うので完成した作品はカラーですが「水墨画」は墨だけを使い濃淡や明暗を利用して表現するモノクロ作品です。
「墨彩画」の例文
・『墨彩画を描く』
・『美術館に墨彩画を見に行く』
「水墨画」の例文
・『水墨画を習う』
・『雪舟は水墨画の巨匠として知られている』
まとめ
「墨彩画」と「水墨画」は色付きかどうかで区別されます。
同じ墨絵でも明確な違いがあるので正しく理解して区別しましょう。